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◆プロパン産業新聞 2008年7月29日・第2417号
提言 [“安心”の提供]
顧客と事業者の絆が生む法規の範疇超えた発想を
 経産省は今年3月、平成20年度保安対策指針を策定し業界に提示したが、この対策指針では、これまでの法令順守と、適切な保安対策の実施に加えて「時代や社会の要請に応じて自主保安の高度化を一層推進し」適切な保安の維持・確保を図ることを要請する─としている点が、新しい着眼点となっている。
 その対策指針の考え方の背景については、重大製品事故等の経験からの教訓があるという。
 その一つは、業界がいま置かれている社会的な位置付けを認識することだという。すなわち、一般消費者段階で生じた事故については、直接に、かつ幅広く国民に大きな影響を及ぼすものであるため、社会的影響や反応も大きいという点。LPガス事業は、そのような位置付けのなかにある業態であることを、再認識することが重要とした点だ。その考え方に立ち、事故の未然防止が重要であるというものだ。
 また、安全・安心に関する、国民の意識変化に対する切り替えが必要であり、消費者側の視点に立った対応が重要と説く。(詳細はプロパン産業新聞2008年7月29日付で)
◆プロパン産業新聞 2008年7月15日・第2415号
提言 [環境が追い風]
地球温暖化、原油高騰で注目の家庭用燃料電池
 家庭用燃料電池の研究開発を進める「燃料電池実用化推進協議会」(FCCJ)は6月25日、家庭用燃料電池の統一ネーミングを「エネファーム(FARM=農場)」と命名すると発表した。
 統一ネーミングのコンセプトは、3つの価値を伝える意味がある。
 一つは「機能価値」。家庭用燃料電池の住宅設備としての機能的価値、自宅で自分たちが必要な分の発電と給湯ができる(自分のエネルギーを自分でつくる)こと。二つ目は「生活価値」。家庭用燃料電池がもたらす“一歩先行く”生活価値、未来のエネルギー源をいち早く手に入れたライフスタイルを実現できる。三つ目は「環境価値」。地球人として家庭用燃料電池を選ぶという価値観。環境を意識して暮らすという、これからの地球人としてのスタンダードである。
 これらの価値を広く認識してもらうため、「エネファーム」の名称を決めたという。
 FCCJは、会員総数が120社・団体・個人で構成される団体だが、その中心は東芝、松下電器産業、東京ガス、新日本石油、トヨタ自動車など、システムメーカー、素材メーカー、エネルギー供給事業者の会員。
 「エネファーム」は、エネルギーとファーム(農場)の造語で、その意味は水素と酸素から電気をつくることと、水と大地で農作物をつくることが似ているという点。自分のエネルギーを自分でつくるという考え方を「ファーム」という世界観で表したという。
 家庭用燃料電池は、その高い環境性から、民生分野の「温暖化対策の切り札」として期待されており、来年(平成21年度)には、実証段階から本格販売に移行する。そのタイミングを捉えて、業界の統一ネーミングを発表したものだ。(詳細はプロパン産業新聞2008年7月15日付で)
◆プロパン産業新聞 2008年7月8日・第2414号
提言 [第3次石油危機]
35年間で45倍―原油価格高騰に打つ手はあるか
 原油価格の高騰が止まらない。過去二度にわたるオイルショックとは異質の形ながら、このままでは「第3次石油危機」の到来という声も出始めている。
 第1次石油ショックは1973年10月に勃発した第4次中東戦争で、中東産油国が石油生産量の削減と、価格引き上げを行ったのが引き金となった。それまでサウジアラビアの代表的な軽質原油アラビアンライト(AL原油)の公示価格は1バーレル3jだったが、この産油国の協調減産で1974年1月には3・9倍の11・7jに跳ね上がった。国内ではトイレットペーパーの買いだめなどが起き、時の宰相、福田赳夫首相は「狂乱物価」と名付けている。
 第2次石油ショックは、78年10月から82年4月にかけて、OPEC(石油輸出国機構)が石油価格を大幅に値上げ、イラン革命とイラン・イラク戦争勃発でエネルギー市場は大混乱した。78年12月のAL原油は1バーレル12・1j。それが81年10月には2・7倍の34・0jになった。
 そして今回、第3次石油ショックの到来が懸念されている背景には、過去のような産油国による石油戦略の発動ではなく、新興国の経済成長、産油国の政情不安、投機資金の流入といった、世界経済・政治が舞台になっている。2008年6月時点のAL原油価格は1バーレル129・48j。しかし、昨年から投機資金が大量に流れ込んでいるとされる、米国産WTI原油(ウエストテキサス・インターミディエート)は5月末で125・76jであったものが、6月27日には1バーレル143・67jと140j台にまで跳ね上がっている。
 6月7日に青森市で開幕した日米中印韓5カ国エネルギー相会合では、@最近の原油価格高騰に対する深刻な懸念を共有A石油価格の上昇は歴史上、最も急速かつ大幅B現在の原油価格水準は異常で、消費国・産油国双方の利益に反する。資源の乏しい途上国に大きな負担C石油・ガスの探鉱・生産のための、開かれた透明で効率的で競争的な投資環境を確保D石油製品への価格補助金は段階的に撤廃に向けて動くことが望ましいと認識─とする、共同声明を発表した。この共同声明は、G8に中国、インド、韓国を加えた11カ国によるエネルギー相会合でさらに踏み込んだ声明を発表、7日から始まった洞爺湖サミットでの討議につなげて結束を示した。
 LPガス業界は、こうした原油価格の高騰を背景にしたCP(コントラクト・プライス)の上昇に、CPリンクの原料費調整システムの導入など懸命に対応しているが、心配なのは消費者の受け止め方であろう。省エネを通り越して、「節約」に向かうと、業界は過去に経験したことのない需要減退の危機に陥る恐れもある。ここは、消費者のLPガス離れを食い止める手立てを考える必要があると思う。まさに転換期を迎えたエネルギー業界である。(詳細はプロパン産業新聞2008年7月8日付で)
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