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◆プロパン産業新聞 2008年5月3日・第2405号
提言 [ガス料金]
自由料金の妙味生かす「お得プラン」の提案を
 季節要因がまったく機能しない原油価格の推移で、熱量等価換算によって決まるLPガスのCP価格は、5月もトン当たり845j(プロパン)と上昇した。しかも、米国産WTI原油(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は、5月6日に一時1バーレル122・73jと、過去最高値を更新している。アジア向けの指標となるドバイ原油も上昇傾向で、穀物や銅などと同様に、投機資金が原油に流れ込む状況に歯止めが利かない。
 LPガス業界では、CP高騰分のコスト転嫁を都市ガス、電力に倣った「原料費調整システム」の応用、つまりCPリンク型の料金改定システムの導入に傾斜しつつあるが、元売り・商社系の販売子会社を除くと、まだまだ毎月ガス従量料金を改定するといった、思い切った決断ができないようだ。
 実は、都市ガス業界は原料費調整制度による、ガス料金(従量料金)の改定を四半期ごとに行っているが、もう一方でかなり進んだ料金メニューを設定し、需要拡大と顧客へのサービスを地道に展開している。
 そのネーミングや料金メリットの比較提案に、知恵を凝らしている。
 北海道の旭川ガスは、ガスセントラル給湯暖房システム(温水式給湯暖房機)を使用する需要家に対して、「えこっと24」と命名したお得料金システムを提案している。狙いは灯油暖房のガス化と電化対抗である。例えば「えこっと24」を適用したガスセントラル住宅(戸建て)のランニングコスト比較では、電気ボイラーで台所・給湯・暖房した場合、月に34万7700円かかる。灯油使用の場合は34万9500円の試算。これに対して「エコジョーズ」使用は32万3900円、「エコウィル」使用は29万6600円と説明している。
 仙台市ガス局は「トリオでガスプラン」を提案している。適用条件は厨房機器(こんろ、ガスオーブン、ガス炊飯器)、給湯機(給湯器、風呂釜、小型湯沸器)、暖房機器(ガスファンヒーター、ガスストーブ、ガスFF式暖房機)の各一つ以上でのトリオを使ったお得料金を提案。
 日本海ガスは「ペンギンエコライフ」「ペンギンあったかライフ」「ペンギンうらわざ」「ペンギンふゆわざ」の4つのお得料金メニューを、中部ガスは灯油並みのランニングコストを実現したとのアピールで「ウィズガスプラン」を、山口合同ガスは一般家庭用で6メニュー、業務用等で9メニューのお得な料金プラン(選択約款)を提案している。九州の日本ガスは、「湯友まるトク料金16」「湯友まるトク料金24」「エコまるトク料金」の3つの家庭用選択約款料金メニューを提案している。
 これらの料金メニューを、ここで詳しく紹介できないが、各社のホームページで閲覧できる。
 都市ガス各社は公益事業という制約のあるなかでも、ガスの給湯や暖房、さらには厨房機器を組み合わせた、割引料金プランを需要家に提案し、電化対策などに懸命の努力をしている。LPガスは自由料金であり、もっと大胆な「お得プラン」を設定し、競争力と需要家に魅力ある提案に取り組む姿勢が必要ではないだろうか。(詳細はプロパン産業新聞2008年5月13日付で)
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