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◆プロパン産業新聞 2011年5月3・10日・第2561号

≪東日本大震災報道≫

仮設住宅急ピッチ/ガス料金無償、国費補填の提案も
復興への足がかりとなる仮設住宅が着々と完成(4月30日、宮城県岩沼市里の杜)
 国土交通省住宅局は2日時点で、計画3万521戸に対して完成済みの応急仮設住宅戸数が岩手、宮城、福島3県合計で3857戸に上ったと発表した。今月末までには、岩手1万761戸、宮城県1万94戸、福島県約9314戸の計3万169戸が完成する見通しとなっている。3県の建設要請戸数は岩手1万8000戸、宮城3万戸、福島2万4000戸の計7万2000戸で、岩手は7月末までに、福島は9月末までに全戸の完成を予定している。しかし、急ピッチで建設が進む仮設住宅へのLPガス供給について、仮設工事費や供給、人材確保など被災した3県が抱える事情は複雑だ。
 仮設住宅にかかるLPガス関連の工事請負額(設備費用も含む)は、安価にたたかれる傾向があり、「赤字を出してまで……」と二の足を踏む販売店は多い。実際に仮設住宅の建設を請け負う企業から「ガスの基本料金に配管、メータ料金等が入っているのだから工事費を安くしろ」などと言われた販売事業者も存在する。仮設住宅に入居する被災者から料金は徴収しにくいが、基本料金免除、ガス代を安くする等の措置をとれば、工事費分が完全な赤字になるのが現状だ。「協会が窓口になって、LPガス設置工事を行う会員事業者を、赤字になるのが分かっていながら紹介しなければならない」(福島県協)などと頭を抱える。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
地震・津波・原発で被害深刻/関彰商事いわきLPGセンター・太田主査に聞く
津波による家屋損壊が目立ついわき市沿岸部・永崎地区
 東日本大震災と度重なる余震で深刻な被害に見舞われている福島県いわき市。市内では、今も懸命な復旧作業が続けられている。当該地域の被害状況等について、関彰商事いわきLPGセンターの太田春己主査に話を聞いた。

◇    ◇

 震災発生後、相次ぐ電話対応や点検などで泊まり込みの作業が続いた。いわき市で最も被害が大きかったのは、塩屋岬がある薄磯地区。南部の岩間も大きな被害を出しているが、比較にならない被害状況だ。当該地区で遺体捜索を始めた警察から、「がれきのなかがガス臭い」「警報器が鳴っているから来てくれ」などの要請を受け、緊急車両で何度も現地に入ったが、テレビや新聞を通じて報じられている宮城や岩手沿岸部と同じ惨状が広がっていた。がれきや泥をかきわけて容器を回収するのは、危険と隣り合わせの作業で困難を極めた。
 小名浜など大きな港がある地域の被害は比較的小さいが、直接海に面している地域の被害は深刻だ。北部の四ツ倉付近も、国道を挟んで海側で大きな被害が出ている。センター職員の自宅でも、津波で寸前まで漁船が押し流され、あわやという場面もあったという。
 現在、地区担当別に被害の概略をまとめているが、530件の需要家のうち370件を失った販売店や、150件のうち100件を失った販売店など、今後の経営に深刻な影響を与えそうな被害が相次いでいる。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
LPガスって やっぱり“高い”/ネットの声に微妙な変化
 東日本大震災を契機に、ツイッターなどのソーシャルネットメディアを中心に消費者の関心を集めるLPガス。そこには、出口の見えない原発問題や、相次ぐ余震などを背景に、LPガスの災害時の有用性を再評価するコメントが多数寄せられている。しかし、消費者の関心が高まるにつれ、LPガスに関連するマイナス面を指摘するコメントも増加傾向にある。
 とくに目立つのが、LPガスの料金へのコメントだ。ツイッター上で、東日本地区からと思われる書き込みを見てみると、「節電と思ってガスを多用するようになったら、ガス代が1・5倍になった。おそるべしプロパン」「地震でさほど使ってないはずなのにガス代7000円くらいきた」「うちは2万円の請求がきて卒倒しそうになった。プロパン高すぎ」「前は都市ガスだったので本当にびっくりしています。高いよね」など、一様にLPガスの料金の高さを指摘している。
 なかには、「あまりにプロパンガス代が高いので、節約術を真剣に考えなければ」との書き込みに対し、「プロパンは業者によって料金が違うらしいから調べてきたら?」「競合するプロパン会社で安いところを見つけてきて、不動産屋に『安いからこちらに変更したい』と交渉して値引いてもらったことがあります」とアドバイスする書き込みも。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
JXエネ、震災損失に920億円を計上
 JXホールディングス(高萩光紀社長)は4月27日、東日本大震災の影響で製油所が被災したことなどから、平成23年3月期に連結ベースで合計1260億円の特別損失を計上すると発表した。
 グループ会社のJX日鉱日石エネルギー(木村康社長)では、東日本大震災により仙台製油所が被災。また、鹿島石油の鹿島製油所なども地震・津波による建物の倒壊・損傷・消失などの被害を受けている。これら復旧費用の引当金や資産滅失損など、連結ベースで特別損失を計上するもので、JXエネルギーが920億円、鹿島石油は200億円、JX金属が80億円、その他連結として60億円の計1260億円を計上した。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
5月度CP史上最高値を更新/P945、B995jに
 サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは4月29日、5月度のCP(長期契約者向けFOB)を通知してきた。プロパンは前月比70j値上げの945j/d、ブタンは同105j値上げの995j/dでP、Bともに史上最高値を更新した。これまでの最高値は、プロパンが今年1月につけた935j、ブタンが2008年7月につけた950j。
 AL原油との熱量換算比は、4月1日〜29日の平均価格118・234/BBLを基に計算すると、プロパンは97・5%。ブタンで104・1%となり、原油との価格差はない。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
「事故半減第4弾」軸に総ざらいを/JLSAが要請
 エルピーガス協会(川本宜彦会長)は4月21日、「事故半減のための緊急対策」について、これまでの緊急対策の検証をふまえ、第4弾を軸とした総ざらい及び独自の事故防止対策の実施などを要請した。これは、4月以降の緊急対策を検討するため開催予定であった保安委員会が、東日本大震災等の諸事情などにより検討できない状況であることによるもの。
 緊急対策は、平成21年11月に第1弾を実施し、直近では昨年12月から本年3月末までを第4弾として実施してきた。しかし、昨年の事故件数は205件(前年185件)、死亡5人(前年4人)と増加している。
 第4弾では、販売事業者の法令順守の徹底(法令順守・リスク管理の徹底)を新規に盛り込み、「埋設管事故防止」「業務用厨房施設等のCO中毒事故防止」「販売事業者に起因する事故防止」を継続して実施してきた。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
2020年 死亡事故0へ/ガス安全高度化計画まとまる
 “2020年の死亡事故ゼロ”とするガス安全高度化計画がまとまり、4月22日に開催された都市熱エネルギー部会ガス安全小委員会(豊田政男大阪大学教授)で報告された。
 安全高度化目標は、「2020年の死亡事故ゼロに向けて、国、ガス事業者、需要家及び関係事業者等が各々の果たすべき役割を着実に実行するとともに、環境変化を踏まえて迅速に対応することで、各々が協働して安全・安心な社会を実現する」と設定した。
 消費段階における保安対策では、CO中毒事故、ガス漏洩による爆発または火災事故対策として、環境・安全面で優れるSiセンサーコンロ、エコジョーズのさらなる普及拡大、乾電池搭載により立ち消え安全装置の応答時間を早めるなど、安全機能が向上したBF式機器の普及を進める。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
リンナイ/切替ユニットでドレン排水できるエコジョーズ発売
 リンナイ(名古屋市、内藤弘康社長)は、エコジョーズから発生するドレン排水を、既設のおいだき配管を利用して、浴室の排水口に処理できる「ふろ給湯器とドレン排水切替ユニット」を、4月21日から発売開始した。
 これまでドレン排水の処理方法がなく取り替えが困難だった、既築集合住宅のパイプシャフト(PS)に設置された給湯器のエコジョーズ化が可能になる。
 ガスふろ給湯器は屋外壁掛型(RUF―TE2400SAW)で、税込希望小売価格36万8550円。ドレン排水切替ユニット(ROP―DHU)は税込希望小売価格2万1000円。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
サイサン、中部に進出/愛知に初の拠点開設
 サイサン(さいたま市、川本武彦社長)は4月1日、愛知県内初の営業拠点となるLPガス部門の静岡支店岡崎営業所(高塚光広営業所長)と、アクア事業部の愛知営業所(須賀雅弘所長)を岡崎市緑丘に開設した。サイサンが愛知県内でLPガスを販売するのは初めて。
 同社では、ミネラルウォーター「ウォーターワン」については、すでに愛知県内に約6300件の顧客を持っており、愛知営業所の開設により愛知、三重、岐阜、滋賀の4県を中心に事業展開する計画。
 4月20日に現地で開催された開所式には、川本社長、川本知彦専務営業本部長、服部秀司取締役LPガス部長、中山隆執行役員静岡支店長、児玉尚克アクア事業部長などが出席した。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
北陸3県Gライン統一/「とろ火ちゃん」を共通使用
新「Gライン」のイメージポスター
共通・独自活動を並行

 北陸地方で組織している3県のGライン(Gラインとやま、Gライン石川、Gライン福井)は、一昨年10月にGライン北陸を結成したが、設立3年目となる今年度は、名称とキャラクターを3県で統一することで、共同化による効率化と経費削減を図る。
 名称は、これまでの呼び名の分け隔てを取り払い、「Gライン」の名称で統一する。
 ただし3県の「Gライン」は各々の独自の活動は継続するが、名称を統一することで、キャラクターも昨年度までGライン石川・福井で使用していた「とろ火ちゃん」で統一する。これまでGラインとやまでは、独自に「ほのかちゃん」を使用していた。(詳細はプロパン産業新聞2011年5月3・10日付で)
≪近畿地区特集/消費者から選ばれる事業者になるために――≫
提案営業、保安のあり方を問う
 ガス業界では、安全性に優れたSiセンサーコンロの販売台数が1000万台を突破、また、低炭素社会実現に向けて2013年3月までに、ガス機器メーカーが生産するすべてのガス給湯器をエコジョーズに切り替える「エコジョーズ化宣言2013」を表明するなど、両製品の普及に力を入れている。
 電力、都市ガスとの競合が一層激しさを増すなか、近畿地区では、近畿エルピーガス連合会が転換件数の推移を調査し、対応策を講じているが、他燃料への転換を阻止し、消費者に「LPガス」を選択してもらうには、その良さ・魅力を伝える提案力、訴求力の向上が欠かすことのできない要素となっている。
 また、日々の生活での安全・安心への関心が高まるなか、暮らしを支えるエネルギー「LPガス」の販売において、保安確保は消費者と事業者をつなぐ最低限のルールといっても過言ではない。事故件数が200件を超え高止まり傾向が続くいま、いかに安全を徹底するかが問われている。
 そこで、近畿地区の主要な販売事業者に、電化対策につながる器具販売と保安の確保をテーマに取材した。器具販売については、各社のエコジョーズとガラストップコンロの販売実績を踏まえて提案営業の進め方や、卸事業者への電化に関するアンケート結果、展示会でのガス器具に関する消費者の感想などを紹介する。
 保安については、先日、大阪市内で開かれた近畿液化ガス保安協議会の講習会において、中部近畿産業保安監督部近畿支部が講演した内容などを紹介する。
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