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◆プロパン産業新聞 2011年3月29日・第2556号

≪東北地方太平洋沖地震報道≫
東北地区143万戸を点検・供給へ

急ピッチで進む復旧
津波で流された木材等とともに多数の容器が散乱(宮城県多賀城市)
 東北地方太平洋沖地震の被災地は25日、発生から2週間を迎えた。ライフラインの復旧が進む一方で、大量のがれきに阻まれ、浸水したままの地域など手つかずの場所も残り、被害の全体像は見えない。被害の甚大だった岩手、宮城、福島県のLPガス供給状況は23日現在、供給不能が22万戸。津波等で店舗ごと流され、安否が不明の販売店もある。鉄道、道路、港といったインフラの復旧は急ピッチで進むなか、LPガス充填所の稼働再開や、消費者のLPガス設備の点検業務の開始など復興へ向け動きだしている。
 東北地域のLPガス需要は、東北6県全世帯の約72%にあたる約254万世帯が家庭用燃料として使用している。このうち、被害の大きかった東北3県で、津波等により供給不能となっているのは23日現在、岩手5万戸、宮城12万戸、福島5万戸。供給不能の多くは、津波で家屋ごと流失したか、全壊・半壊の住宅。または、福島原発事故による避難勧告の出ている地域だ。その他の143万戸は販売事業者の迅速な対応により点検後供給可能となった。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
JLSA、震災特別措置で5項目を要望
 エルピーガス協会(JLSA)は、原子力安全・保安院液化石油ガス保安課、資源エネルギー庁石油流通課に対して、東北地方太平洋沖地震に伴う措置として震災復興対応補正予算の確保など5項目の要望を提出した。項目は@LPガスの備蓄放出(東北・関東大震災の被災地に対するLPガスの緊急供給のために、国及び輸入元売各社が備蓄をしている備蓄法に基づく「LPガス備蓄」を石油と同様にALPガスの優先的確保(被災地のLPガスの確保のため、被災地以外に供給しているLPガスについては、優先的に被災地に供給するよう関係者への指導等と輸送路の優先的な確保B燃料の優先的確保(LPガス業者が被災地の消費者の点検・確認等のための車の燃料(ガソリン)の優先的な手当てC緊急供給時の緊急措置(暫定復旧のメータの未設置による供給や調査点検期間内での未実施、設備士、業務主任者の期限内の未講習などの事態が想定され、緊急事態での特別措置)D震災復興対応補正予算の確保(被災地における復興に関して、LPガスの供給に伴い、必要な経費について予算化)―など。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
調整器出荷に“黄信号”
 東北地方太平洋沖地震と、これによる福島第一原発の放射能漏れ事故の影響で、供給機器の心臓部である調整器の出荷体制に黄色信号がともっている。
 一つは、調整器の部品ダイヤフラムの生産会社である藤倉ゴム工業原町工場が、福島第一原発の半径30`圏内、金型生産地が同20`圏内に位置している。このためゴム部品の供給が滞っている。各メーカーとも当面在庫で凌ぐが、その後の出荷体制がどうなるかは不透明。各社とも復旧用のための供給機器等を最優先に生産し、出荷する体制をとっている状況だ。
 また、東京電力管内に工場がある供給機器メーカーは、もう一つの問題を抱えている。東京電力が実施している計画停電で、停電前に機械を停止しなければならないこと。また、機械立ち上げには時間がかかるなど。計画停電自体が計画通りでなく、生産体制に影響が出ており、量産体制がとり難い状況にある。東京電力の今回の放射能漏れ事故は、LPガス業界に思わぬ波紋を投げかけている。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
災対バルクで炊出し
「貯槽 しっかり残った」 伊藤工機 野東京支店長

 伊藤工機(大阪府東大阪市、内海二郎社長)の東京支店(東京、野克己支店長)は11日、東日本地区の社員研修を仙台市若林区の仙台営業所(尾崎毅所長)で行っていたとき、東北地方太平洋沖地震に遭遇した。電気が消え、水道もしばらくして使えなくなった。幸いなことに営業所社員と関連会社・新和テック社員全員の無事を確認した。津波は営業所の500b先にまで迫った。
 宿泊先のホテルには入室できず、一時避難所に避難、その後事務所に戻り、翌12日、事務所敷地内に設置してある「500`バルク貯槽による災害用バルク」を活用し、炊き出しを行った。
◎野支店長
 「この大地震で実際に活用してみて感じたことは、災害用バルクの備えは地震後3日間といわれていたが、津波災害で考えが変わった。一カ月弱は賄える量が必要だ。現在も災害用バルクは依然として活躍している。水が引いたあと、田んぼのような光景が目の前に広がり茫然とした。バルク貯槽を点検したが、バルクは基礎をアンカー打ちしており、びくともしなかった。飯炊き釜3つのうち、2つに巡回水槽車から水をためることができ、飲み水もとりあえず間に合った。その後、車で近場の被害状況を見て回った。他社営業所設置のバルクやラーメン店のバルク貯槽も、建物が倒れていて、水に浸かっていても基礎工事がしっかりして無事だった。」(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
岩谷産業/支援物資続々
 岩谷産業(大阪・東京、牧野明次社長)は、東北地方太平洋沖地震の被災地向け緊急支援物資輸送を、13日以降、各地で開始した。同社は地震発生直後の11日、東京本社内に災害対策本部(本部長・武田英祐専務取締役)を設置し、被害状況の確認を進めていたが22日までに累計でカセットこんろ21万台、カセットガス420万本を出荷した。
 緊急災害時LPガス支援をサウジアラムコとの間で無償提供する基金(1億円)を09年3月に、岩谷産業とサウジアラムコの両社が共同で設立しているが、この基金をもとにカセットこんろ、カセットガスを埼玉・越谷市の工場から被災地に向け出荷している。
 22日は、カセットこんろ6694台、カセットガス2万2800本を出荷し、合計こんろ1万804台、ガスボンベ6万本を被災地に届けたが、搬送は8人の社員が新潟経由で仙台市に運び、仙台を拠点に被災自治体との連携のもと支援の申し入れを行っている。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
レモンガス/石巻へガス、水を緊急搬送
12リットル入りのボトルウォーター500本を提供
 レモンガス(東京、赤津欣弥社長)は17日、神奈川県平塚市と連携し、同市が災害時相互応援に関する協定を締結している宮城県石巻市に対し、支援物資を搬送した。
 支援物資の搬送には平塚市職員2人も同行し、市提供のトラック3台とレモンガス提供の10d車1台、ワゴン車1台、同社社員4人で向かった。
 レモンガス支援物資として、トラック1台分のプロパンガスと、水12gを500本積み、17日朝5時に平塚市議事堂前を出発。同日午後2時に石巻市役所運動公園で支援物資を引き渡し、午後6時に現地をあとにし、翌18日午前4時25分にレモンガス本社に帰着した。
 なお、支援物資の搬送には、予想以上に燃料補充が難しくなり、帰路の途中から燃料は平塚本社から届けた。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
伊丹産業/ローリ2台、宮城県へ出動
ガソリン14キロリットル、灯油16キロリットルを伊丹産業のタンクローリー2台で搬送。運転手と握手する藤原市長
 伊丹産業(兵庫県伊丹市、北嶋一郎社長)は19日、東北地方太平洋沖地震の支援物資として、伊丹市からの要請で宮城県庁にガソリン14`g、灯油16`gをタンクローリ2台で搬送した。
 宮城県災害対策本部にいる市村浩一郎国土交通省政務官から、藤原保幸伊丹市長に「被災者はガソリンと灯油を要望しており、搬送依頼の連絡があった」として、藤原市長が北嶋社長に要請したもの。
 当日は藤原市長出席のもと、伊丹産業本社で出発式を開いた。
 北嶋社長は、森本聖仁さんら搬送社員4人に任務達成と無事を願って訓示を述べた。
 藤原市長はあいさつで「市村政務官からの被災地の状況によると、救援物資は仙台に届いているがガソリンがなく、また、ストーブはあるが灯油がない状態。伊丹市には伊丹産業があるので頼んでほしいとの連絡を受け、北嶋社長に了承をいただいた。伊丹産業には被災地の状況を踏まえ、格段の支援をいただいた」と述べ、配送社員に握手し、感謝の意思を示した。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
中村ホームガス社長ら/仮設風呂3カ所設置へ
会津若松市に灯油2キロリットルを寄付
 滋賀県日野町(藤原直弘町長)では、東北地方太平洋沖地震での被災者への住居を提供するなど支援活動を行っているが、文化交流都市である福島県会津若松市(菅家一郎市長)を支援するために、LPガスによる仮設風呂の設置を決め、中村ホームガス(中村幸太郎社長)に要請した。
 中村社長は、仮設風呂の設置を円滑に行うために現地視察と救援物資として灯油2`gと衣料品等の搬送を兼ねて23日、滋賀県の仲間らと車両2台で会津若松市役所を訪問した。
 現地視察に向かったのは、中村社長、長男の幸男氏、北川伊佐男北伊ホームガス(彦根市)社長、太和田亮たわだ商店(長浜市)社長、前田卓前田益蔵商店(東近江市)社長の5人(関西支社田村記者同行)。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
 
長崎県協佐世保支部/初合展で“閉塞感”打破
売上6261万円に

 長崎県LPガス協会佐世保支部(朝長英二支部長)は12、13の2日間、佐世保市の九十九島観光ホテルで「いつもありがとうフェア」を開催、地域のLPガスユーザーに日頃の感謝を伝えた。
 支部会員24社に加え、卸・機器メーカーなどが系列を超えて協力。地元メディアの積極活用なども通じ、2日間で約2000組、3000人超を動員した。売上は当初目標に設定した2340万円を大幅に上回る6261万円を記録。支部初となる合同展示会の開催に花をそえた。
 運営を取り仕切った堤雅志実行委員長は、「1年以上前から企画を練ってきた。これを機に、支部内外で垣根を超えたレベルの底上げにつなげたい」と意欲を示した。
 会場では、売上好調が伝えられるSiセンサーコンロをはじめ、各種ガス器具を一堂に展示。これに加え、エネファーム、ハイブリッド給湯器、太陽光発電、太陽熱利用システムといった新商材も前面に押し出した。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
TOKAIグループ/介護施設オープン
 TOKAIグループ(静岡市、鴇田勝彦会長CEO)は17日、同グループ初の介護施設「リフレア清水駒越」を静岡市駒越中2丁目に開所した。同施設は新会社「TOKAIライフプラス」(内山雅博社長)が運営するデイ・サービス介護施設で、4月1日に開設する。
 施設のホール有効面積は140平方bで、最新鋭の高齢者向け機能訓練機器の導入による自立支援プログラム、音楽セラピーの採用、広々とした通常浴室・介浴槽、機械浴・特殊浴槽を採用、500`cのバルク貯槽を設置した。
 TOKAIグループでは、今後デイ・サービスに続きショートステイ、介護付き有料老人ホームの3タイプを建設していくことにしている。
 当日は現地で神事、記念植樹を行ったあと、施設内で開所の集いを催しTOKAI鴇田会長、グローバル総合研究所鷲見好厚社長、清水設備研究所山崎福雄社長、TOKAIライフプラス・リフレア清水駒越椿原亜紀子施設長があいさつした。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
≪九州地区LPガス業界特集≫
ベストミックス時代"到来 LPガスの立ち位置はあるか
先月9日、九州地区を牽引するリーダー3氏による鼎談を実施
 地球温暖化問題への対応が、エネルギー利用構造の変化に拍車をかけている。その中核にあるのが再生可能エネルギーの利用拡大だ。なかでも太陽光発電システムの評価は上昇の一途をたどり、国の導入支援策とあいまって、急速にそのシェアを伸ばしている。世帯あたりの普及率に目をやると、上位を独占するのが九州地区の各県だ。2009年度まで、8年連続で全国トップの座を守ってきた佐賀県を筆頭に、今年度それをしのぐ勢いで普及を伸ばす熊本県。これに宮崎、長崎の両県が迫っている。こうした状況は、LPガス業界にしてみれば、一見、歓迎できない傾向に映る。しかし、世界的なトレンドが“低炭素”を指向する以上、これは受け入れざるを得ない現実だともいえる。「総合エネルギーショップへの転身」。そんなキーワードが業界内でにわかに注目されるなか、太陽光発電の普及などを背景に、すでに、こうした事業の具現化に取り組む姿が、九州地区の事業者間ではより顕著だ。2月9日、これら事業者を代表し、積極的に事業の体質改善に取り組むリーダー3氏による鼎談を実施した。各々が目指す事業の姿から、エネルギーミックス時代の航路を探る。(詳細はプロパン産業新聞2011年3月29日付で)
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