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◆プロパン産業新聞 2009年3月3日・第2448号
LPガス国際セミナー09 「アジア顧客の市況感」尊重
 エルピーガス振興センター(加藤徳生理事長)主催の「LPガス国際セミナー09」が、「変貌する世界のエネルギー情勢―LPガスの役割・需給・競争力」をテーマに、2月27、28日の2日間、東京・港区の第一ホテル東京で開催された。
 今年のセミナーは、地球温暖化防止に向けた「低炭素化社会づくり」とエネルギー政策に、産油国、消費国がどう取り組むかの戦略テーマと、原油、LPGのCP動向、カタールを中心にした天然ガス随伴LPGの増産計画を背景にした市場の見通しなど、初日から注目されるプレゼンテーションが行われた。また、初めてロシアが参加し、サハリンプロジェクトを発表した。
 セミナー一日目は、振興センターの加藤理事長が開会あいさつ、資源エネルギー庁石油流通課山崎勉企画官が歓迎あいさつした。
 続いて、米国のパーピン&ガーツ社ケン・オットー上級副社長による基調講演「世界のLPG産業の未来―嵐の時代を抜けて」、山崎企画官による「日本のLPガス政策について」、日本LPガス協会久内幸二郎会長による「低炭素社会に向けたLPガス業界の取り組み」、世界LPガス協会デビット・タイラー技術・業務担当理事による「低炭素化社会におけるオートガスとLPガス流通」の各プレゼンテーションが行われた。
 産ガス国、消費国を代表した国別のプレゼンテーションで注目されたのは、サウジアラムコのCP決定に関する説明。CPについての説明は、サウジ・ペトロリアム・リミテッドの小池栄樹東京副支社長が行った。
 小池氏は「アジアのターム契約の顧客の市況感に耳を傾けている」とし、その公正さを強調するとともに、2008年のCP平均は過去15年のCPの歴史で、AL原油に対する熱量ベース(百万BTU)で一番低いレベルだと説明、さらにLNGの日本着CIF価格が高騰している点を指摘、CPの利点を訴えて注目された。プレゼンには、サウジペトロリアム・リミテッド東京支社長ナーセル・D・アルマハシル氏ら5人が出席した。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
基調講演 「世界のLPG産業の未来―嵐の時代を抜けて」 米パービン・ガーツ社上級副社長 ケン・オットー氏 需要成長は長期的にも堅調 クリーンな価値の拡張に期待
 世界的な景気後退は底が見えない状況だ。アメリカもこの先、半年程度は弱含みと見ている。現在、各国でさまざまな景気対策が打ち出されているが、どのくらいの効果をもたらすかは不透明だ。いずれにしても、回復にはそれなりの時間を要するだろう。
 原油市場はこの余波を受け続けている状況だ。この傾向は今年いっぱい続くだろう。OPECはこれに対応し、原油の生産を抑え、市場の安定化に努めている。こうしたテコ入れは今後、数年間、市場の問題を和らげるだろうが、LPガスの生産に、短期的な影響をもたらすと見ている。今以上の景気悪化がないという前提で、今年の前半、LPガスの供給が中東分について減るだろう。
 石化業界も多くのストレスを抱えたままだ。需要は世界中で軟調となり、迅速な回復も見込まれていない。能力増強が予定されているものの、短期的な石化製品の需要は低迷しているのが現状だ。原料需要も減っていくことで、LPガス、ナフサの市況は弱まると見ている。したがって、今年中の価格回復はないだろう。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
出光2009年販売店合同ミーティング
 出光興産(東京、天坊昭彦社長)は2月24日、東京・千代田区のホテルニューオータニ芙蓉の間で、「2009年販売店合同ミーティング」を開催した。合同ミーティングは今回で4回目。昨年から、地区出光会、出光会全国大会の年次総会も同時開催しており、今回も約900人が出席した。
 第一部プレゼンテーションであいさつに立った天坊社長は、世界の景気回復には、各国が強力な対策を講じても1〜2年は必要とし、輸出依存の大きい日本の本格回復はもっと遅れる可能性が大きいとした。
 続けて、国内外の石油市場について触れ、「昨年は(日本市場の)石油も原油高により燃料転換が加速し、省エネ、燃費の良い車への乗り換えも増え、ガソリン、軽油は5〜6%、産業用のA重油は10%、燃料油全体で前年比7%の需要減となった。もともと毎年1〜2%ずつ需要は減っていくと見込まれていたが、原油高と後半の景気悪化により4〜5%余計に需要が減ったことになる。しかし、石油は必需品であるので、他の業種の需要減に比べれば石油は良い方だ。
 世界の石油需要も09年は08年に比べ日量約100万バーレル減の8400万B/DくらいとIEAは推計しており、2010年も微増といっている。日本の需要は、5月の政府需給見通しでは2012年まで毎年約10万B/Dずつ減少を続けると推定されており、原油価格はDBベース40j台で当面推移すると思う。OPECやメジャーは、70jくらいが望ましいといっているが、そのレベルになるのは2010年後半頃になるのではないか。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
伊藤工機、ものづくりの「匠」に 大阪府発刊 「看板企業の見本帖」に選出
 大阪府は橋本徹知事の意向により、今年度から府内の中小企業の持つ「ものづくり力」を紹介するための見本帖「大阪の元気!ものづくり企業“匠”」を発刊したが、掲載された193社のなかに伊藤工機(大阪府東大阪市、内海二郎社長)が選出された。
 同社の内容は、「自動切替式一体型調整器」や「PA―13A・12A高カロリー移動式ガス発生設備」などの主力製品と開発経緯等で、内海社長の「当社は意見が言いやすい文化ができているのです。会社の業績もすべて社内に報告していますので、一人ひとりが経営を意識しているのではないでしょうか」と、製品開発が成功している秘訣も含めて紹介されている。
 また、同社は経産省中小企業庁が発行する「明日の日本を支える元気なモノ作り中小企業300社」の08年版にも選ばれており、これらを通じて『伊藤工機は品質至上主義で安全と安心を提供する企業』であることを幅広くアピールすることに役立っている。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
アーガス日本支局がセミナー アジアは供給過多に 市場変化に対応する価格を
 アーガス日本支局(東京、三田真己代表)は2月18日、東京・千代田区のサンケイプラザで、「市場環境の変化と価格への影響」と題したセミナーを開催した。
 講師にアーガス・アジア統括のジェイソン・フィアー氏(通訳・三田代表)を迎え、アジアにおけるLPガス需給率の向上や、中東のLPガス生産設備開発による供給増加が、市場にどのような影響を与えるのかを中心に、今後の市場構造の変化を予測した。
■FEIとCP
 冒頭、フィアー氏は、同社が毎日調査・公表している、アジアを代表するスポット価格指標、FEI(ファー・イースト・インデックス)と、サウジアラムコ社の通告価格であるCP(コントラクトプライス)の関連性について解説。FEIを意識しながら、ほぼ同様の価格傾向をたどるCPの動きをグラフで説明することで、FEIの信頼性をアピールした
■アジアの需給構造
 また、今後のアジア市場の需給構造について、「中東の開発が進めば供給は増えるが、反面、世界経済の後退による影響等により、需要はなかなか増えないだろう」と予測。この傾向から、アジア市場には「供給過剰という構造ができあがりつつある」と展望した。
 一方で、供給過多により、今後予想される価格低下メリットについては、「石化原料としてブタン、プロパンに魅力が出てくる」と肯定的な見方を示したものの、「残念ながら、これを生かせるだけの処理能力が、現状のアジアにはない。中国や韓国等において、より多くのLPガスを処理できるよう、装置を改造している最中だが、アジアで一通りの体制が構築されるには、まだ時間がかかると見ている」として、供給過多の傾向は続いていくとの考えを示した。
 さらに、このような予測とともに、これまで価格決定に強硬な態度を示すことの多かった産ガス国の軟化の兆しとして、「CPのかわりにFEIを使った契約をする産ガス国も出てきており、実際に日本に入ってきているいくつかの供給については、CPでなくFEIで決済する契約もある」との例を示し、買い手市場が確定的な状況下で、いっそう存在感を強めるFEIの価値を改めて強調した。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
レモンガスグループ 絆づくりにスポーツ振興 地域イベントに協賛
 レモンガスグループは地域との密着と、地域貢献により、間接的にガスファンを作り、地域活性化の一つとして、つながりを深める地域の行事に参加している。
 レモンガスかごしま(鹿児島市)は、ランニング桜島大会実行委員会、鹿児島市、南日本新聞社、鹿児島市教育委員会、鹿児島走ろう会主催で2月22日に開催された「第29回ランニング桜島」に特別協賛した。会場は桜島多目的広場(鹿児島市桜島横山町)で、種目はハーフマラソン、10`、5`走行。スタート地点に置かれたレモンガスの立て看板が目を引いた。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
高齢者は「継続使用」に関心 富山県協 ふれあいサポート運動実績まとめる
 富山県エルピーガス協会(見之興会長)は、県内のひとり暮らしの高齢者を対象に昨年9月から11月まで「ふれあいサポート運動」を実施したが、このほどその実績を報告書としてまとめた。
 訪問戸数は4494戸で、点検した器具別では最も数が多かったのは2口コンロの3721台で、点検の結果、「設置状態・否」が32台、「燃焼状態・否」が56台あった。他の機器(1口・3口コンロ、炊飯器、小型湯沸器、給湯器、風呂釜等)は「否」は数台程度で、高齢者宅では2口コンロの設置率が高いことと、他の機器と比較して部品の交換や修理など、何らかの処置の必要性が高いことがわかった。
 ただ、2口コンロの「否」の数が多かったことは、点検対象がひとり暮らしの高齢者のため、点検に当たった調査員が「ちょっとした不良や不具合を見逃しやすいコンロを、できるだけ厳しく点検した」ことがその主因となった。また、点検後は、「少しでも古い器具(ゴムホースや接続金具等)があれば、即座に交換した」等の処置を施した。
 さらに、点検の際に要望や相談事を尋ねたところ、@燃焼器具の取り扱い方(477戸)A点検等のサービスについて(438戸)Bガス器具の新製品紹介(427戸)Cガス料金について(255戸)が、Dエネルギー転換(119戸)を大幅に上回り、高齢者宅は「燃転」よりも「ガスの継続使用」に関心が強いことがわかった。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
厨房設備機器展 環境、省エネ志向で「涼厨」に注目 「快適さ」がキーワードに
 “ホスピタリティ”と“フードサービス”の合同専門展示会「HCJ2009」(「第9回厨房設備機器展」「第37回HOTERES JAPAN」「第30回フード・ケータリングショー」)が2月24日から27日の4日間、東京・江東区の東京ビッグサイトで開催された。これまでにない新たな製品・サービスの創出を目指し、あらゆる角度からビジネス・商談・情報交流の場を提供。厨房・調理設備、食品加工、食器類からホテル・レストランなどの観光産業に至るまで“食”に関する849社(2005小間)が出展した。
 今回の「厨房設備機器展」では、昨年に引き続き近年、厨房業界の課題となっている「省エネ」「食品リサイクル」などの環境への負荷軽減を意識した “環境と人にやさしい厨房のご提案”をテーマに掲げ、タニコー、リンナイ、オザキ、マルゼン、日本ガス機器検査協会、東京ガスなどが出展。展示ブースでは、試食や実演をふんだんに盛り込み、快適で使いやすい厨房設備機器をアピールした。
 とくに今回注目となったのは、パワフルなガスの炎の特性を生かしつつ排熱を集中排気し、機器放熱の軽減を図り、涼しく快適な厨房を提案するガス機器シリーズ「涼厨(すずちゅう)」。
 タニコーでも「立体炊飯器」「ローレンジ」「フライヤー」「角型ゆで麺器」「スパゲティーボイラー」など「涼厨」機器を展示。そのほかにも、歌う料理人・森野熊八氏による高速オーブン「ビトルボU」や自動回転式炒め機「チャオチャオ」を使用した簡単料理の実演で来場者の関心を集めた。
 リンナイでは、「涼厨」対応の炊飯器を中心に、機器の安全性を考慮したガス機器を紹介。また、6月発売予定の卓上型コンベクションオーブン「RCK―10AS」なども展示した。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
≪ピックアップ≫
井本産業 井本好則社長
ガスと住設機器の営業に注力〜収益力改善で原点を見直す
 井本産業(兵庫県南あわじ市、井本好則社長)では、昨年末の輸入価格の大幅な下落に伴い、ガスの収益力の改善が図れる今冬に注目して、商売の原点に戻り、顧客対策として、ガスと住宅設備機器のアピールに注力していくとしている。井本社長に営業戦略などを聞いた。

ガス機器のアピールは「ガス屋の努め」
 ―まず、家庭用のガス料金の対応からお聞かせください。
 井本 昨年来の輸入価格の高騰で、家庭用の料金については価格転嫁をしてきたが、転嫁の遅れの影響などもあって、収益面では、ここ4年間継続して利益が得られない状態であった。
 年末からの輸入価格の下落で、12月と1月にはガス料金を下げる料金改定を行ったが、経営面では正直いって、ほっとしている。
 家庭用料金の改定ではその都度、料金表を配布しているが、顧客からは主にミニコミ誌「ユーカリ通信」の回答はがきを通じて、「ガス代を下げていただき助かります」などの声も届いている。
 ガス料金を改定する場合は、その理由についてしっかりと周知しておかないと、顧客との信頼関係に大きく影響する。
 ガスの収益力が改善できるこの時期に、中期的な展望を考えておくことが必要である。
 ―中期展開の方針と見通しについて。
 井本 第一に、商売の原点に戻って、ガスと住宅設備機器についてのアピールを、継続的に行うことである。
 顧客への情報発信は、ミニコミ誌を通じて行っているが、消費者の関心が高い「省エネ」や「節約」についての一般的な方法を取り上げながら、エコジョーズの優れた省エネ性とリース販売を紹介していく。
 電化攻勢が激しいが、住宅設備機器のなかでもガス機器をアピールすることは、ガス屋の努めであり、顧客に対して、暮らしのパートナーとしてガスの利便性を紹介していく。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
≪特集≫
伊丹産業 ACU24取付70万戸達成
 伊丹産業(兵庫県伊丹市、北嶋一郎社長)は、このほど設置を進めている集中監視システムACU24が70万戸に達した。昭和61年3月に取付け開始から22年11カ月での快挙であり、ACU24の設置先では、無事故を継続している。北嶋社長は今後の展開について「ACU24によるお客さまへの新たなサービスの提供を視野に入れながら、電化対策においても最新ガス機器の販売促進と、保安の高度化からACU24の取付けは不可欠であり、新規ユーザーや未設置ユーザーに、販売店と協力しながら80万戸達成に向けて邁進していく」とした。
 同社のACU24の普及への取り組みを紹介する。

安全・快適なガスライフを約束
消費者の信頼築くACU

 同社は、ACU防災協議会(北嶋一郎会長)を通じて販売店へ推進活動を行っている。
 業界を取り巻く環境はエネルギー間競争が本格化するなかで年々厳しくなっており、販売事業者が生き残るためには、他のエネルギーでは築くことのできない消費者との堅い信頼関係を構築することが求められている。ACU24は、そのための有効な手段で、販売店にさまざまなメリットを紹介している。
 ACU24は、警報器とメータ連動により、ガス漏れの場合にはメータ遮断し、ACUを通じて遮断情報を即座に知ることができるため、消費者に高度の安全を提供できる。ガスの残量をACUにより管理することで、ガス切れの心配がなくなり、消費者にガス切れに対する不安を抱かせずに使用していただける。
 また、天候等に左右されることなく、毎月同じ日時に自動検針がなされるため、検針日にばらつきがない。消費者には正確な使用量によるガス代を請求でき、ガスの使用量、請求金額に対して不信感が生じない。
 ACU24により、消費者に安全性と快適性を提供することができ、販売店もガス切れによる緊急対応の減少や検針にかかる労力の省力化により、日々の保安活動や営業活動を強化することができる。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
≪連載≫
潮目が変わる《3》
枯渇無き「太陽光発電」で変化するエネルギー
 昨年あたりから民生用エネルギーの販売業界で“燎原の火”のごとく、事業化に乗り出す動きが高まってきた「太陽光発電システム」。ゼロ・エミッション(CO2やSOXなどの大気汚染、温暖化の原因となる物質の放出がゼロの意味)エネルギーとして、欧米や日本政府が普及に力を入れ始めた太陽光発電は、今後の温暖化対策として必須のアイテムになりつつある。
 世界の太陽光発電システム導入量は、04年までは日本がトップの実績だった。しかし、猛追していたドイツが05年に首位の座を奪って以降、日本は第2位に甘んじている。日本政府は「低炭素社会づくり行動計画」のなかで、再び世界のトップの座を奪還しようとの政策見直しに動き始めた。
 ドイツは0・3〜0・5ユーロ/kWhでの電力買取保証制度(フィードインタリフ制度)で、太陽光発電の電力買取を保証したのに対し、我が国は06年に太陽光の補助金を打ち切ったことで、その普及テンポに陰りが見え始めたという背景があった。このシェア奪還への取り組みは、温暖化防止対策に対する国家プロジェクトの一環として、再び補助金復活などに動き始めたということだ。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
≪連載≫
お家でつくるエネルギー エネファーム市販開始《4》
東京ガスの戦略
 東京ガス(東京、鳥原光憲社長)では、地球温暖化対策は待ったなしの状況であり、エネルギー事業に携わる各社が、より積極的に対策を推進し環境貢献を図っていくことが使命として、都市ガス業界の牽引役となって、「エネファーム」の普及に取り組んでいる。「ガスから生まれた気持ちいい未来」が訴求テーマだ。(詳細はプロパン産業新聞2009年3月3日付で)
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