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◆プロパン産業新聞 2009年2月24日・第2447号
液石保安課 鹿児島事故を検証 「逆流」の可能性も
 全国エルピーガス卸売協会(牧野明次会長)は16日、東京・港区の芝弥生会館で「第2回保安講習会」を開催した。当日は、矢崎総業の野崎健ガス機器事業部営業推進部長らが「電子式(超音波)マイコンメータと業務用換気センサーについて」、富士工器の三宮毅之バルクプロジェクト部長が「バルク貯槽の20年検査に向けた維持管理と課題について」、経済産業省原子力安全・保安院液化石油ガス保安課の北沢信幸課長が「最近のLPガス保安行政について」をテーマにそれぞれが講演。北沢課長は直近の情報として、詳細は調査中であるとしたうえで、13日の京都府における爆発事故(死亡1人、負傷2人)、15日に山形県で発生した爆発事故(重傷1人、軽傷4人)の状況について報告。また、1月26日に発生した鹿児島県でのCO中毒事故について触れ、2月4日に液化石油ガス保安課から職員を現地に派遣し、事故の検証を実施したと話した。
 事故検証の経緯としては「B級事故であるうえ、一度の事故の被害者数が18人と平成10年以降では最多の人数であることや、生徒が被害者となっていること」をあげた。また、1月30日には福島県相馬市の葬祭場で4人が被害者となるCO中毒事故が発生。「1月のCO中毒被害者数は22人。19年のCO中毒事故での被害者数が1年で29人であることを考えると看過できない状況である」と話した。
 現地での検証では、3つのケースについて実施。3種(ガスボイラー、5口ガスコンロ2台、ガスオーブン)のガス機器を稼働させるという条件下で、@窓を10a開けた場合A閉め切った場合B窓は閉め切っているが換気扇を使用している場合においてのCO濃度を測定。状況として、窓を閉め切っていた状態で、換気扇を回していたが、何らかの要因で逆流したのではとの結果がでたとし、「換気扇を回していてもCO中毒になるのか」という質問が多く寄せられているとした。

CO警報器などの対策強化
 現在、開催している産業事故WGでも話題となっており、「行政としても、ガス漏れ警報器、CO警報器の設置も含め対策を考えなければならない」と述べた。
 一方、立入検査については、「免状を持たない者による液化石油ガス設備工事」(厳重注意)、「業務主任者等の有資格者の適切な管理(名義貸しなど)」(厳重注意)のケースを紹介したうえで、問題点として組織管理が不徹底であると指摘、「法令順守について認識を新たにしていただきたい」と要請し、3月に公表する21年度保安対策指針においても言及していく姿勢を示した。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
伊丹産業、ACU取付70万戸達成
あいさつする北嶋社長
 伊丹産業(兵庫県伊丹市、北嶋一郎社長)が進める、集中監視システム「ACU24」の取付け戸数が15日、70万戸に達した。ACU24は、同社が金門製作所と日立製作所に開発を依頼した独自のシステムで、取付けから22年11カ月での快挙となった。
 当日は本社会議が開かれ、北嶋社長はあいさつで「本日、10時40分頃、ACU24が取付け70万戸を達成したと報告があった。業界を取り巻く状況はCO中毒事故をはじめとするガス消費機器に関する事故が多発し、原子力安全・保安院においても事故防止に関して、これまでに増して、より一層の指導強化が図られると思われる。保安の確保に欠かすことのできないACU24のような集中監視システムを必要としている。今日の70万戸の取付け達成に大いに満足するとともに、80万戸達成に向け邁進していきたい」と述べた。
 本社会議の後、北嶋社長は70万戸の取付け先である同社高槻工場管轄の大阪府茨木市の宮後さん宅を訪れ、記念品を進呈した。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
サイサン、ガスワングループ、「ecoプロジェクト」発進 3年間でCOを1万d削減
 サイサン(さいたま市、川本武彦社長)は11日、同本社KSビルでサイサン及びガスワングループの幹部社員120人が一堂に会し、「ガスワンecoプロジェクト」発進大会を開催、3年間で1万dのCO削減を宣言した。
 「ガスワンecoプロジェクト」は、サイサン及びガスワングループとして、オフィス・営業車両等によって直接的に取り組むCO削減活動と、エネルギー消費によりCOを排出する家庭・業務用部門でのCO削減を提案することで、間接的なCO削減活動を展開していくもの。
 同社では、2007年4月、LPガス基地「ガスワンパーク上尾」に太陽光発電(発電能力20`h、年間発電量2万2000`h/時)を設置し、年間13万dのCOを削減している。
 とくに、今年からの国の補助金募集に先立ち、昨年10月から独自の太陽光発電の助成金制度を開始、今年4月からの家庭用燃料電池「エネファーム」発売に伴う「太陽光発電と燃料電池」のW発電の普及推進を目的にした、同様の助成金制度を創設すると発表した。すでに、グループとして今年2基のW発電(太陽光発電+燃料電池)を埼玉県内の顧客先に設置、この分野で世界に先駆けた事業展開をみせている。
 また、直接的なCO削減活動として「チームマイナス6%」運動による、従来からの「クールビズ」「ウォームビズ」「ライトダウン」活動のほか、自社事業所での「太陽光発電」「エネファーム」「節電システム」等の環境貢献機器の設置を推進している。さらにグループ1000台の営業車両を、環境性の高いLPガス自動車に継続的に更新するとともに、社員演習とエコドライブステッカーの車両への貼付により「エコドライブ」を奨励し、CO削減を目指していくとしている。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
TOKAIとオブリックが折半出資 共同充填新会社「ジョイネット」設立
ジョイネット村田社長(左)と篠原会長(右)
 国が推進するLPガス配送合理化推進事業である充填所の統廃合が、全国で進められているが、静岡県富士宮市でTOKAI(静岡市、槇田堯社長)とオブリック(静岡県富士宮市、篠原松太郎社長)が業務提携し、両社折半出資による共同充填会社「ジョイネット」を設立、21日から事業を開始する。今後、「ジョイネット」では出荷・容器管理システムを増強し、富士宮市内の他社充填所との統合も視野に入れ、さらなる合理化に努めるとともに、共同配送の方策についても取り組みたい意向。
【ジョイネットの概要】
資本金800万円▽役員=代表取締役社長村田孝文、代表取締役会長篠原松太郎、取締役遠藤武司、同島田康夫、同外山哲也、監査役増井一成▽充填所長村松廣道
 施設=敷地面積4774・28平方b、充填所面積442・50平方b(鉄骨造平屋建)、事務所119・65平方b(2階建)、ポンプ機械室24・50平方b、検査容器置場27・38平方b▽設備=電子充填機9連、充填量1万1000d/年、最大40d/日、配送車14台、バルクローリ2・5d2台
 貯槽、貯水槽は地下埋設、散水用水は基準以上にし、災害等緊急時に地域防災に役立てる設計を施した。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
平成20年1〜9月 LPガス消費者事故165件に
 原子力安全・保安院液化石油ガス保安課は2月17日、平成20年1月〜9月のLPガス一般消費者事故件数をまとめた。それによると、事故件数は165件(8月19件、9月13件)で、昨年同期の件数と比較すると9件減少した。
 原因者別では、「消費者の器具誤操作等不注意」が58件と最も多く、次いで「販売店等の不適切な処理」が37件、「他工事業者」15件、「雪害等の自然災害」11件、「器具メーカー」10件、「設備工事事業者」4件、「消費者の不注意、販売店保守サービスに問題」3件、「充填事業者」1件で、このほか「その他」6件、「不明」が20件となっている。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
神奈川県協が第2弾パンフ作成 現行「特商法」対象外のLPガス、県条例では“不当な取引禁止”規定の対象品として解説
 神奈川県エルピーガス協会(菊池鴻逸会長)は、LPガス販売の取引適正化に関する取り組みとして、消費者向けの注意喚起パンフレット「うまい話には、だまされません!」(A4判カラー4頁)を作成した。
 同県協は、昨年4月に強引な勧誘や悪質ブローカーへの対応・対策についての消費者向けパンフレット「その委任状、ちょっと待った!」を作成し、県内だけにとどまらず、県外でも大きな反響を呼んだ。今回はそれに続く第2弾として、さらにわかりやすく踏み込んだ内容に編集し、@消費者へ切り替え勧誘に対する注意喚起A委任契約の解除方法の紹介B神奈川県消費生活条例の事業者の禁止規定―を中心に、不公正な勧誘から消費者を守ることを目的とした。
 パンフレットは、消費者のなかでも、とくに主婦や高齢者を対象に、イラストを基調として、手に取りやすく、一目でわかりやすいものとなっており「切り替える場合はすぐに決めず慎重に検討すること」「一人で判断せず家族や消費者相談所に相談すること」などをアドバイスしている。
 そのなかで、今回は“県消費生活条例”について掘り下げ、勧誘時の不実告知や威迫等は規制対象行為に当たると説明。現行の特定商取引法では対象外となっているLPガスも、県消費生活条例では対象となることを解説した。これについて県協では「県条例に“不当な取引行為の禁止”があることは、これまでLPガス事業者の間でもあまり知られていなかった」として、「神奈川県だけでなく他県にも同様の条例があると聞いている。これを日連へ押し上げていきたい」として、全国規模での取引適正化へ向け、神奈川県発の同パンフが大きな足がかりになることが期待される。
 そのほかにも、委任契約を解除するための書き方の例を記載し、委任は各当事者がいつでもその解除ができることを解説。また、Q&A方式で消費者から疑問に応える形で、LPガス料金は自由料金であること、また極端に安い価格を提示する事業者には「なぜ安いのか」「期間限定なのか」などを確認することが重要としている。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
ガステックがバトラーサービス
 ガステックサービス(愛知県豊橋市、神野吾郎社長)は、家庭用LPガス顧客に対する新サービスとして、昨年9月から「バトラーサービス」に取り組んでいる。女性スタッフが顧客宅を訪問し、顧客一人ひとりのライフスタイルに合わせた、さまざまな商品・サービスの提案を行うもので、具体的には顧客宅のライフスタイルに最適なガス器具やリフォームなどを、「主婦の視点」で提案するもの。

女性スタッフ14人を異業種から採用
 現在は蒲郡営業所(愛知県蒲郡市)に14人の女性スタッフを置いて、試験的に実施している。従来のLPガスの営業慣習にとらわれないように、この14人の「バトラー」は、あえてLPガス業界以外の異業種から採用された。保安業務にはタッチせず、提案営業業務に専念する。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
教育現場にガスの存在感 長崎県協、中学校にSiコンロ寄贈
 長崎県LPガス協会(田中善一郎会長)は16日、西海市立大瀬戸中学校に最新式のガラストップこんろ9台を贈呈した。こんろは調理室に設置され、家庭科の授業を中心に利用される。
 長崎県協では、昨年から地域貢献活動の一環として「食育プロジェクト」を実施している。これは未来を担う子どもたちに、安全性、環境性、操作性に優れた最新のSiセンサーコンロを体感してもうことで、火を使った料理の美味しさを伝えようと企画した食育活動。今年度中に県内4校の中学校に寄贈を決めており、4日には江迎町立江迎中学校でも贈呈式を行っている。今後は、26日に大村市立郡中学校、3月には諫早市立有喜中学校で贈呈式を行う予定。
 田中会長はあいさつのなかで、「食は人間が健康に生きるために必要であると同時に、精神活動や、脳の育成にも非常に深く関わるもの」と改めて“食育”の重要性を強調。そのうえで、「安全で省エネ効果も高いガスコンロで、美味しい料理を作ってもらいたい」と期待を述べた。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
こちら“よろず屋”何でもお任せください!! 徳永、自社製オリーブオイル活用 独自の料理教室を開催
 徳永(前橋市天川大島町)の徳永詢社長は15日、前橋市大友町のマーキュリーホテル内にある同社「イル・リポジーノ徳永」で、一般家庭のお客さまを対象にしたオリーブオイル活用の料理教室を開催したことについて、本紙記者に次のように語った。

「動くコンビニ」で深い信頼関係構築へ
 ─オリーブオイルを活用した料理教室の開催案内に、「新オリーブオイル入荷記念企画」とあるが、オリーブオイルにもワインのように入荷の季節があるのか。
 徳永 オリーブオイルは11月20日から12月中旬までの期間に、年1回しか採れません。私どもは手で採取して、一気に絞るという二千年来の伝統的な方法で作っています。オリーブオイルは、新しいものが良いというわけではなく、魚料理などは1年ほど経ったものを使った方が良い。そういう使い方を、私どものお客さまに知っていただこうと企画した。
 ─ガス業界で料理教室を開催するところも多いが、IHコンロとの比較調理などが主体。なぜ、オリーブオイルなのか。
 徳永 過去15年くらい、関東一円で顧客勧誘専門の業者が私どもの客先をフルに回った。当社の顧客のほぼ全部を隈なく回った。この結果、ガスの値段で移るお客さまは、だいたい移ってしまい、最近はまた戻ってこられるお客さまもいる状況になった。つまり、15年間で一巡したわけです。そういう意味で、現在の会社の経営環境は大きく変わった。会社の理想とする良いお客さまと、安心できる社員、信頼できる仕入先という良い環境ができた。
 そこで経営方針も原点に返り、長くお付き合いしていただいているお客さまに対して、広くシェアを獲得するのではなく、深く関係を構築しようということにした。どこの会社も、オリジナル商品を求めているが、当社にはオリーブオイルとワインがあり、しかもどこにも真似ができない商品がある。私がイタリアで作って、日本に持ってきて売る商品です。この商品を購入されるお客さまも、ある程度定着している。
 そこで、正しいオリーブの使い方を、私の口から説明するのではなく、関西に住む河上昌美さんという高名なシェフを呼んで、今回の料理教室を開催した。講師には4日間滞在していただき、2日間は社員教育に、あとの2日間を限られたお客さまのためにご指導をしていただいた。
 ─料理教室は手始めで、経営を足下から見直すということですか。
 徳永 会社の考え方は、いま申し上げたように、お客さまを守っていくには、幅で売るのではなくて深さで売ろうということ。動くコンビニでありたいと。そして、声を掛けやすい便利屋さんでありたいと。何でもできるよろず屋でありたいというのが私の考え方で、そういう風に会社の体制も変わってきています。それはなぜかというと、当社が供給する(群馬北部の)吾妻・嬬恋地域の奥の方にヤマダデンキはないわけですが、お客さまから「徳永、ヤマダデンキで(電気製品を)買ってきてよ」と言われる。当社はこの要望に簡単に応えられる。「銀行に振込みしてよ」もできる。今は、嬬恋でも荒縄や軍手は売っていない。かつてあったよろずやさんもないし、コンビニもない。その代わり、私どもが全部お手伝いしますと。何かあったら徳永に、というような関係を作りたい。その代わり良いお客さんと、安心できる社員。仕入が少なくてもいいからと協力的に供給してくれる仕入先であってもらいたいなと思っている。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
≪ピックアップ≫
東邦液化ガス三重支店 辻村佐恵子氏
ふれあいレディ活動を通したガスファン作り「ガスの良さをクチコミで」
辻村佐恵子氏
 ふれあいレディ(FL)は15年10月、合同液化ガス(現東邦液化ガス三重支店)でスタートしました。設立当時、簡易ガスでの電化住宅の増大が課題となっていました。電化住宅側の訪問攻勢やイメージ戦略のほか、ガス会社の社員とお客さまとの接点業務の減少の影響があったと思われます。
 そこで当社は、「ガスの良さを伝えたい」を基本に、奥さま(お客さま)と女性社員が一体となって、奥さまの口コミでガス機器販売とオール電化住宅の阻止を図ることを目的にした活動を始めました。それがFLです。
 FLは1年契約で15〜20人を集めます。必ず、女性社員が面接して採用を決めます。FLは、玄関先に看板を掲示することや、会合への出席をお願いしています。
 会合は、月1回開催して、FLからさまざまな情報を収集します。併せて、ショールーム見学や料理教室を開催することもあります。
 1年後には、新たにFLを募集しますが、FLとして活動してもらった奥さまには、そのままFLのアドバイザーやOG会に登録することも可能です。20年4月からは、名古屋、岐阜の両地区でもFLが誕生し、FLの現在の延べ活動会員は150人を超えました。
 最後に、このような活動は、すぐに収益にはつながりません。そのため、FLの活動には、会社側の理解や、男性社員の協力なしには運営はできません。
  (6日、鳥取県米子市で開催の協同組合ヤマサン会での講演要旨から)(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
≪連載≫
お家でつくるエネルギー エネファーム市販開始《3》
アストモスの戦略
 アストモスエネルギー(東京、久内幸二郎社長)は、出光興産(東京、天坊昭彦社長)、東芝燃料電池システムと共同で、家庭用燃料電池の実証事業に参加、4年間で全国153カ所に実証機を設置して、寒冷地用などさまざまなデータの収集、性能向上に努めてきた。いよいよ7月からLPG仕様の本格販売を開始する。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月24日付で)
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