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◆プロパン産業新聞 2009年2月3日・第2444号
「エネファームで環境立国」 東京、大阪、東邦、西部ガス、新日石、アストモスが普及へ共同宣言
 家庭用燃料電池「エネファーム」が、4月から順次販売開始されるにあたり、東京ガス(東京、鳥原光憲社長)、大阪ガス(大阪市、尾崎裕社長)、東邦ガス(名古屋市、佐伯卓社長)、西部ガス(福岡市、田中優次社長)の都市ガス大手と、新日本石油(東京、西尾進路社長)、アストモスエネルギー(東京、久内幸二郎社長)の6社は1月28日、東京・港区のグランドプリンスホテル高輪で、普及に向けた共同宣言セレモニーを開催した。共同宣言セレモニーには6社首脳が勢ぞろいし、宣言書に署名、それぞれ普及に向けた決意を表明した。また、資源エネルギー庁の石田徹長官も来賓として出席し、「家庭からのCO2排出削減、民生部門における温暖化対策の切り札」として、その普及に期待を寄せた。
 冒頭、主催者を代表して東京ガス鳥原社長があいさつし、国の見通しである2030年までに累計250万台の普及に取り組み、地球環境問題の改善に貢献したいと力強いメッセージを述べた。
 共同宣言「エネファームで環境立国ニッポンへ」のメッセージは、大阪ガス尾崎社長が読み上げ、各社首脳がそれぞれ宣言書に署名した。これまで一堂に会したことのない顔ぶれからは、家庭用燃料電池の普及にかける、ガス業界の熱い期待がうかがえた。
 会場には、6社がそれぞれ販売するエネファーム(パナソニック、荏原バラード、東芝燃料電池システム、ENEOSセルテック)の実機が展示された。各社のエネファーム販売価格は、本体+リモコンで320万〜346万5000円(税込)を予定している。国の補助金は1件補助上限140万円で、約4000台となる見込み。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
代エネ新法、供給構造の高度化へ 非化石エネ導入の枠組み設定 バイオガス等を義務付け
 経済産業省は太陽光、バイオガスなど温暖化ガスを出さない非化石エネルギーの導入を義務付ける新法「エネルギー事業者に関する高度化法」(仮称)及び「代エネ法改正」に伴い、総合資源エネルギー調査会総合部会政策小委員会がまとめた中間報告書についてパブリックコメント(2月5日まで)を実施している。
 新たな制度設計では供給構造高度化という総合的なアプローチをイメージしており、枠組みは、国がガス、電力、石油の業種ごとに非化石エネルギーの導入目標を設定。事業者は計画的に目標達成に向け取り組み、取り組みに対して著しく不十分な場合は勧告・命令といった行政処分を科すといったフレームを考えているが、誘導的規制措置という観点からも、若干の憂慮をもった法体系になるようだ。
 一方、最近の情勢として家庭やオフィスなどエネルギー使用者において、例えばヒートポンプや電気自動車、太陽光発電、コージェネレーションシステム、燃料電池といった、需要側の取り組みが重要な役割を果たす面も見られる。このことから、需要者側の取り組みに対して供給者側が貢献した場合には、クレジットのような考え方の導入も想定している。
 非化石エネルギー導入の具体的な取り組みは、下位法令のなかで決定。数値については、総合部会などで検討したうえで経産省大臣告示とする考え。施行までには、改正省エネ法、RPS法また国内CDMとの関係、セクター間の公平性など、調整する課題も多く2年程度はかかるとみられる。
 なお、対象事業者の選定にあたっては、費用対効果からみてもガス関係では大手4社などが対象になると見られる。義務付ける非化石エネはバイオガスなどで、今回はLPガス事業者を対象とすることは見送られる公算が高い。また、同一業種内の複数企業が共同で取り組むことも認める見通しだ。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
「薄膜太陽電池」量産化へ 新日石・三洋電機が合弁会社
 新日本石油(西尾進路社長)と三洋電機(佐野精一郎社長)は1月23日、東京・港区のホテルオークラ東京で、薄膜太陽電池合弁会社「三洋ENEOSソーラー」の設立について発表した。
 合弁会社は、三洋電機がHIT太陽電池で培った要素技術、薄膜太陽電池の基礎技術と新日本石油が持つガスの原材料技術、中東産油国との信頼関係といった、両社の強みを生かし、世界のリーディングカンパニーを目指す。
 今後、2010年度に200億円を投入し、三洋の岐阜工場内に80MW/年規模のマザープラントを建設し生産を開始。15年度には年1GWを生産する工場を建設し、20年度には2GW/年規模の生産を想定している。
 当日記者会見した西尾社長は、「新日石の中東、アジア各国といった海外ネットワーク、関係を生かして市場を開拓していく」。佐野社長は、「他社との差別化は30数年に及ぶ技術力の蓄積で、15年には薄膜系で世界一を目指す」と力強く話した。
 新会社の出資比率は50%ずつの対等出資とし、資本金は2億円。代表取締役社長には、前三洋半導体ビジネス開発室室長の五十嵐未知人氏。代表取締役副社長には前新日本石油国際事業本部薄膜太陽電池プロジェクト室室長の湯原尚一郎氏が就任する。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
「認定販売事業者」の愛称検討委が発足 座長に兵頭主婦連参与
 経産省原子力安全・保安院液化石油ガス保安課長もメンバーの一人として、「認定販売事業者」の“愛称”をつくる検討委員会が、1月30日、東京・虎ノ門のNPO法人LPガスIT推進協議会(代表理事・直江重彦中央大学教授)の事務局会議室で第一回会合を開催し、座長に主婦連参与の兵頭美代子氏を選出、3月末報告に向けて検討を開始した。
 改正液石法で創設された「認定販売事業者」制度は、@認定基準の一つである集中監視システムの設置率70%の達成、維持が厳しいA集中監視システムの有用性の認知度向上策が必要─など、制度自体の課題があるところから、液化石油ガス保安課も検討に着手する考えを示しているが、一般消費者にわかりにくい呼称であることや、認定保安機関と認定販売事業者の呼称が紛らわしいなどの業界意見もあり、IT推進協で「“認定販売事業者”愛称委員会」を立ち上げ、検討を開始することになったもの。
 昨年11月10日付けで、液化石油ガス保安課北沢信幸課長から、自主保安の推進のための「認定液化石油ガス販売事業者」の活用と題した、制度見直しに関する検討メモが出されたが、このなかで@IT推進協議会を事務局とし、LP保安課長も参画のうえ、「認定液化石油ガス販売事業者」の愛称を決定し、自主保安のさらなる促進を図るA愛称の選定は、業界団体、消費者団体、有識者から構成する委員会で議論し、消費者にわかりやすく、親しみのあるものとし、その選定で自主保安のあり方、消費者の視点などについても議論を行うBスケジュールとしては、21年3月末までに当該委員会の意見を集約し報告書を作成するCこの報告書を今後の自主保安促進や「認定液化石油ガス販売事業者」制度の検討にあたっての参考とする─との意向が示されていた。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
日団協 販売事業者構改支援事業実施状況まとめる
 日本LPガス団体協議会は、今年度から新規事業として実施している「石油ガス販売事業者構造改善支援事業」の実施状況についてまとめた。
 これまで全国40者(共同事業者16者)、24件の申請が提出され、それぞれ交付決定を受けて各地で活発な活動を行っている。事業内容を大きく分けると、@広報・啓蒙A新たな技術を導入した消費者サービスの向上B保安業務の高度化を通じて消費者からの信頼性確保―など。
 広報・啓蒙に関するものとしては、LPガスに関する環境性や災害時の利便性、並びにLPガス機器の先進性や経済性を広報するチラシ、パンフレット等の配布及び実際に各種機器やパネルを展示したイベントの開催など。
 先端的技術導入では、集中監視システムの活用によるLPガス料金のメール配信システムや、高齢者に対するLPガス使用状況による見守りサービスの構築。環境負荷低減を目的とした、LPガス使用量に応じたCO2排出量の通知システムを構築し推進するなど、より消費者の観点からの提案。
 保安業務の高度化では、集中監視システムによる24時間の保安管理の実施や、圧力監視システムの活用による事故の未然防止といった内容で、消費者の安心をサポートする環境整備を図る内容。24事業は次の通り。(▽申請者(共同事業者)=@事業名A事業内容※実施地域)
◆広報・啓蒙
▽大分県エルピーガス協会=@LPガス及びLPガス機器の認知度向上と省エネ・環境貢献を推進し、県下消費者及び商工団体とのLPガス事業者の連携強化を図る事業Aチラシ等配布、展示会開催、小冊子配布、アンケート、テレビ・ラジオCM、ビデオデータ化▽嘉飯山地区ガス感謝フェア=@LPガス感謝フェアAチラシ等配布、展示会開催※福岡県▽ザ・トーカイ=@LPガスの環境性・安全性に関する啓蒙活動Aチラシ等配布、DVD、HP作成※静岡県▽LPガス快適フェアin北九州実行委員会=@LPガス快適フェアin北九州Aチラシ等配布、展示会開催、アンケート、ポスター、新聞特集記事、ラジオ公開放送、災害時模擬炊出し※福岡県(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
三愛石油 ガス事業部門2009年基本方針 「お客様の声が見えますか」 安心・信頼・環境がキーワード
 三愛石油、三愛オブリガス東日本の2009年度基本方針の要旨。【1月19日、東京・ホテルラフォーレ東京での2009年特約店会議及び賀詞交歓会から】

「声」が見えるための仕組み・活動実践〜三愛石油・村田正博取締役ガス事業部長
 当社は配送や器具点検時の接点機会を通じて、顧客情報の収集やマーケティング調査を実施してきたが、その過程でふと、私たちに顧客の「声」が、見えているのだろうかと考えるようになった。 販売事業者が顧客の声に応えることができれば、感謝や支持となるが、「改善を求める声」「安心を求める声」「もっと良くしたい」といった、いわば心の叫びともとれる声が見えなくなれば、クレームにつながる。
 エネルギーサービス事業者として、顧客の「声」を見ていこうという強い意志があり、見えるための仕組みができているのか、それに応える実践活動をしているのか。2009年度はあえて「お客様の声が見えますか」の問いかけをスローガンとした。

お客さまからの支持獲得のために〜三愛オブリガス東日本・平野信明社長
 2009年度は「安心・信頼・環境」をキーワードとした営業施策を行う。
 日常使用するガス機器が安全であることは当り前のこと。そのうえで、お客さまが満足する、質の高いサービスを提供していく。当社の安心点検サービスは好評で、実施していない顧客からは、「ガス機器の点検を年2回行ってほしい」「時々ガスコンロの点検をお願いします」など、多くの要望が届いている。点検シートには「顧客の声ハガキ」を添付しており、顧客の電化意識調査などの声を集める仕組みとして有効に活用されている。
 2007年度から提案している、特約店の保安を支援する「一日ドック」では、約50店の特約店の保安状況の健康診断を実施した。その結果、点検調査の遅れや質量販売における書面の交付・周知・調査の不備が見られた。今後も特約店の保安支援を継続していく。
 また、平成3年に開発した集中監視システム「SAN―NET」は、通信インフラの急変に対応すべく無線回線を主とした「オブリガス・ネットワーク」に全面リニューアルし、Web環境でシステムを活用できるようにした。保安品質を高め、次世代に対応していく体制作りと、直販部門での全面的な活用によりノウハウを構築していく。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
伊丹ジャンピングセールスタート 展示会は260会場を予定
伊丹シティホテルでも7月に開催
 伊丹産業は、液化石油ガス部門と米穀部門で1日から「第35回ジャンピングセール」をスタートした。9月30日まで。
 液化石油ガス部門は、売上目標52億円。対象商品はガス厨房機器、ガス給湯器、ガス空調器、住宅ガス機器で、参加販売店を神戸市の有馬グランドホテル1泊2日旅行(10月25、26日)に招待する。購入金額上位は、ダイヤモンド表彰5社など表彰する。
 同セールとともに実施する展示会「大感謝祭」は、大小あわせて260会場を予定。大々的に行うものは、合同展示会として継続している岡山市会場(9月)や兵庫県洲本市会場(4月25、26日)に加え、新たに伊丹市の伊丹シティホテルで7月に行う予定。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
工場火災でバルク貯槽が引火爆発〜千葉県旭市
 1月19日午後11時30分頃、千葉県旭市の金属加工会社「旭金属工業」敷地内で発生した火災の影響で、工場内に設置されていたLPガスバルク貯槽(980`c)に引火爆発する事故があった。軽量鉄骨モルタル造工場3棟約1900平方bのうち、2棟約1240平方bを焼いたほか、爆風で工場の窓ガラスや外壁などが吹き飛んだ。バルク貯槽が設置されていたブロック積み建物(屋根一部開放)は爆発で粉々となり、高さ約1bの土台を残して跡形もなくなった。当時、工場内は無人で稼働しておらず、旭署では出火原因について慎重に調査を進めている。
 現場はJR総武本線飯岡駅から西に約1`bの国道沿いで、工場裏手は田園地帯となっている。午後11時55分、通行人の男性の通報を受け、消防が現場に到着したのは日付変わって20日午前0時すぎ。消火作業を開始してほどなく爆発が起こったという。消火にあたっていた旭消防署の消防隊員、鈴木暁さん(21)が、爆発による飛散物の直撃をうけ右足骨折の重傷。また、近隣家屋の窓ガラスが割れたほか、工場周辺のビニールハウスに引火し、一部を焼くなどの被害が出た。
 火元は供給設備に隣接していた塗料倉庫とみられ、燃え広がった火が換気口を通じてバルク設置建物に侵入、何らかの原因で急激な温度上昇が起こり、貯槽内部の圧力を高め、爆発に至ったようだ。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
民生用バルク生産 9年ぶりの低水準
 民生用LPガスバルク貯槽(1d未満)の生産数量が落ち込んでおり、平成20年1〜12月合計は前年同期比75・5%の1万3268基にとどまった。日本溶接容器工業会統計でみると、年間生産数量が1万5000基を割ったのは平成11年以来で、平成9年の法改正により民生用バルクが法的に認められ、生産開始された初年度の平成10年、次年度の平成11年に次ぐワースト3の記録である。また、バルク容器は昨年の生産実績がゼロだった。
 平成20年1〜12月のバルク貯槽生産内訳は1d未満が3172基で前年同期比67・5%、500`c以下3826基で同71・2%、300`c以下5452基で同82・5%、200`c以下146基で同239・3%、150`c以下487基で同63・2%、100`c以下185基で同298・4%の合計1万3268基で、前年同期比75・5%と2割強の減産となった。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
≪新連載≫LPガスがつなぐくらしと社会の活性化〜消費者・地域・女性が期待すること〜
全国地域婦人団体連絡協議会 浅野幸子研究員
 わたしたち地婦連では、地域に根ざした各地の女性団体(地域婦人会・女性会)が、手をつなぎあいながら多様な活動をしており、LPガス業界との消費者団体の立場での関わりも長きにわたります。
 地域婦人会は、国土全体が荒廃した状況の戦後間もない頃から、地域の再生、くらしの課題の解決、社会の刷新のため、地域・行政・諸団体と連携しながら、地域福祉・環境問題・青少年健全育成・地域防災・地産地消そして男女共同参画など、たいへん幅広い活動を展開してきました。
 多様な製品・食品・サービスにおける安全性や取引面(価格・内容量・質・契約などの適正性等)での問題が噴出した1960年代頃からは消費者運動にも取り組みはじめ、他団体とも連携した活動を展開してきましたが、その当時からのテーマの一つが「LPガス」です。(詳細はプロパン産業新聞2009年2月3日付で)
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