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◆プロパン産業新聞 2008年11月4日・第2431号
流通3団体 事務局統合、業務スタート
 平成21年4月1日の新団体「エルピーガス協会(仮称)」設立に向け準備を進めている日本エルピーガス連合会(川本宜彦会長)、全国エルピーガス卸売協会(牧野明次会長)、全国エルピーガススタンド協会(米田正幸会長)は、前倒しで事務局を統合し、新団体事務局となる東京・港区新橋の日連事務所で10月27日、3団体そろって業務をスタートさせた。事務所は、日連の職員16人に全卸協(10人)、全スタ協(7人)が加わり、総勢33人の大所帯。会議室では初日の朝から会議が行われるなど、統合に向け準備作業は加速している。
 10月14日の日連理事会での報告によると、新団体組織の役員メンバーは会長に川本日連会長、副会長に牧野全卸協会長、米田全スタ協会長の2人、専務理事に林健三日連専務理事、常務理事に村上光弘全卸協専務理事、河合英一全スタ協専務理事が就任する予定で、このほか、常任理事(11〜12人)、委員会委員長(5人)、監事(2人)、会計監査人(1人)の25人程度を予定。
 また、理事は北海道(3人)、東北(3人)、北関東(4人)、南関東(5人)、中部(4人)、近畿(3人)、中国(3人)、四国(2人)、九州(4人)、全国(5人)、首都圏(4人)の11ブロック代表40人を限度に選出。(全国=全国展開を行っている事業者等、首都圏=首都圏で事業を行っている事業者及びスタンド事業者)。
 現在、3団体の理事は170人程度おり、新団体には理事数に限りがあるため、新理事と同等の活躍の場を設けるため「審議役」という役職を新設。総会や理事会にも出席できるほか、各種委員会のメンバーとして団体活動に参加できるとした。
 活動体制は、総務委員会(総務、会計等団体の総合的な問題を検討)、保安委員会(保安、防災、技術、環境問題を検討)、経済委員会(需要開発、取引問題、電化対策等を検討)、卸委員会(原料調達、配送問題等卸業の流通問題等を検討)、自動車委員会(LPガス自動車、LPガススタンド等を検討)の5委員会を設け、委員長は理事のなかから選出する。
 新団体の総事業費は約10億円を試算しており、会費は統合による合理化効果の出る2〜3年は従来の会費額とし、新たな会費制度については新団体発足後に委員会等を設け決定する。
 今後のスケジュールは、12月1日の公益法人3法の施行に併せ合併契約を締結し、12月16日の臨時総会(3団体同日開催)において合併契約、修正定款等を承認。翌日に経済産業省に合併の認可を申請。審査期間を経て21年1月中旬にも合併認可が下りると見ており、債務者保護手続きを経て21年4月1日に合併登記により新団体が設立される。(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
11月度 CP一気300j値下げ P・Bともに490j
 サウジアラビアの国営石油公社サウジアラムコは10月29日、11月度CP(サウジアラビアの長期契約者向けFOB価格=コントラクト・プライス)を、プロパンが前月比300j値下げの490j/d、ブタンが同320j値下げの490j/dとすると通告してきた。
 今回の値下げ幅は、輸入元売り筋の事前予測では、原油価格の下落を勘案してP・B平均でトン当たり250〜260j前後とし、500j/dは割り込まないだろうとしていたが、大方の予想に反し、トン当たりPで300j/dの大幅値下げとなり、一気に500j/dを割り込む結果となった。
 10月1日〜28日のAL原油の平均価格は69・370j/バーレルで、9月度の平均より27・876jも下落した。11月度CPとAL原油との熱量等価換算値は、プロパンが86・2%(前月99・1%)、ブタンが87・4%(同103・0%)となり、原油に比べ割安感が一層高まっている。
 一方、原油高騰の一因となった米国産WTI原油は9月30日に100・64j/バーレルをつけて以来、100j割れを続け、10月16日には69・85j/バーレルまで下落した。その後70〜90jの一進一退を続けている。(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
Jエナジー、大阪ガス、日商、伊藤忠、エネクス LPG統合新社設立へ基本合意
 ジャパンエナジー(東京、松下功夫社長)、大阪ガス(大阪市、尾崎裕社長)、日商LPガス(東京、新家谷隆夫社長)、伊藤忠商事(東京、小林栄三社長)、伊藤忠エネクス(東京、小寺明社長)の5社は、LPガス事業の再編・統合に向け検討をしてきたが10月31日、元売・卸売機能を統合する新会社の設立について基本合意をしたと発表した。
 事業統合の背景・目的は、LPガス輸入価格の高騰や他エネルギーとの競争激化による需要の伸び悩みなどを背景にして、厳しい経営環境下にあることから、5社は海外調達から小売までのLPガス事業全体を視野に入れ、効率的な製品を安定供給できる総合的な競争力を持ったLPガス事業グループの構築を目指し、連携策として検討されたもの。
 今後のスケジュールとしては、5社による統合新会社の詳細検討を進めるとともに、ジャパンエナジー、日商LPガス、伊藤忠エネクスの3社の販売子会社を中心に、小売分野での競争力強化に向け、業務提携や資本提携などの連携策も検討していく。
 統合新会社の概要は次の通り。
 社名=ジャパンガスエナジー(仮称)▽本社=未定▽社長=未定(ジャパンエナジーから選出予定)▽資本金=未定▽設立時期=2009年4月1日(目途)▽株主構成=ジャパンエナジー51%、日商LPガス29%、伊藤忠エネクス20%▽事業内容=LPガスの輸入、販売(元売・卸売)▽売上高=2800億円程度(年間)▽輸入数量=150万d(年間)▽販売数量=225万d(年間)▽その他=LPガスの海外調達業務は伊藤忠商事に一元化(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
秋の叙勲・褒章 旭日中綬章に石井宏治氏、旭日小綬章に細谷地諄吉氏、黄綬褒章に舩岡正夫氏、馬場久男氏
石井宏治氏 細谷地諄吉氏 舩岡正夫氏 馬場久男氏
 平成20年秋の叙勲・褒章が3日、発令された。
 LPガス業界関係からは、叙勲で日本エルピーガスプラント協会会長の石井宏治氏(71歳、東京都)が旭日中綬章、岩手県高圧ガス保安協会会長の細谷地諄吉氏(71歳、岩手県)が旭日小綬章を受章。褒章ではミツワグループ会長の舩岡正夫氏(77歳、兵庫県)、元大阪府エルピーガス協会副会長の馬場久男氏(91歳、大阪府)が黄綬褒章を受章した。(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
ENEOSグループ屈指の販社誕生 九州新日石ガスが発足披露
 10月1日付けでワシダ石油瓦斯と新日石ガス九州が経営統合して発足した九州新日石ガス(北九州市、山内實社長)は10月21日、福岡市のホテルニューオータニ博多で、特約店など関係者計200人が出席して発足披露式を開催した。
 同社は、ワシダ石油瓦斯を存続会社として、福岡、佐賀、熊本、大分の北部九州4県を事業エリアにもち、資本金2億円、年間ガス販売量5万3520d、売上高84億7000万円、直売需要家数5万7000件超、傘下販売店数360社という九州でもトップクラスの販売企業であり、かつ、ENEOSフロンティア(東京、津田直和社長)グループの8つの地域販社のなかでも屈指のLPガス販社となる。
 冒頭、あいさつに立った山内社長は、今回の経営統合の目的は、エネ間競争に打ち勝てる強い経営体質をもつ会社を目指すことにあるとし、「次の時代に向かって、さらに飛躍するという共通の気持ちで全社員力を合わせて進んでいく。“信頼される企業を目指す”を経営の基本とし、さらに販売力の強化、合理化を進め、新日石・ENEOSフロンティアのガス販社の核となるような会社にする」と決意を述べた。(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
経産省 国内クレジットパブコメ 「全電源」採用に批判続出
 経産省は10月21日、国内クレジット(CDM)制度の詳細案に対するパブリックコメントの結果を公表した。
 公募期間の9月10日〜19日までに、1941件(1082団体)から意見が寄せられ、そのうち1193件(875団体)が電力の炭素排出係数に関するもので、「温暖化対策推進法定期報告書のガイドライン、環境省の環境報告マニュアル等でも、全電源平均以外の考え方も認めているにもかかわらず、本制度において全電源平均をデフォルト値とすることに対して説明が十分でない」などの意見も。
 制度詳細では、排出量の算定において必要となる電力排出係数について、自主行動計画との整合性を踏まえ、自主行動計画の評価・検証制度において用いられる係数(電気事業連合会が公表する当該年度の全電源平均)とした。しかし、排出削減方法論のなかで注釈だが、「各年度に関する本係数は、自主行動計画制度で用いている当該年度の数値である。今後、当該数値やその他の数値の採用についても検討を行う」としており、火力発電平均係数の採用にも含みをもたせた。
 意見では、「排出削減事業により電力需要が増減した場合、供給側で出力を調整する電源は火力発電であるため、購入電力の炭素排出係数は火力発電の係数にすべきである」「全電源平均の係数ではコージェネレーションやガス空調等の導入による排出削減効果が過小評価され、ヒートポンプ等電力消費の増加を伴う機器更新の排出削減効果が過大評価される」など表明された。(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
リヤカーで燃焼ユニットを搬送! 伊藤忠エネクスHL東北 防災協定に沿って訓練
 伊藤忠エネクスホームライフ東北(吉山彰二社長)は10月26日、仙台市の福住町町内会が主催する防災訓練に参加し、仙台市との防災協定に沿って大規模災害時におけるLPガス燃焼ユニットの搬送・設置訓練を行った。
 当日は、吉山社長をはじめ社員15人が参加。訓練は、福住町付近を震源とした震度6強の地震が発生。仙台市からLPガス燃焼ユニット2セットの提供要請を受け、道路が寸断されていることを想定。リヤカー2台で本社防災センターを出発し、約29分かけて訓練会場の福住町公園に到着。早速、燃焼設備をセットし、漏洩テスト、点火テストを行い、炊き出し担当者への取り扱い説明まで、防災協定に則った一連の流れを訓練した。
 対策本部長に任命された「災害時緊急物資輸送隊」の徳永武之隊長(仙台支店課長代理)は、隊長自ら実務を行ってしまい、全体的な指示がおろそかとなった点や、責任者氏名の確認、作業完了の声がけの実践などを反省点としてあげ、「本当の災害時でも焦らず迅速に作業できるようお願いする」と隊員に呼びかけた。(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
中村ホームガス社長宅に「エネファーム」設置
 中村ホームガス(滋賀県日野町、中村幸太郎社長)はNEFの今年度定置用燃料電池大規模実証事業で10月22日、社長宅に固体高分子形燃料電池システム(定格出力0・7`h、東芝燃料電池システム製)を設置した。
 燃料電池の大規模実証事業が始まった当初から応募し、最終年となる今回、当選したた中村社長は、「設置の際にはメーカー専任の担当者のほかに、メンテナンスを請け負う会社からも研修に来ていたことからも、発売時期が迫っていることを実感した。エネファームに期待している。補助金によって、家庭でも100万円程度で販売できると、エコキュートに代わる商品になる。ワクワクしている」と喜びのコメントを述べた。(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
名プロ合展「ザ・大感謝祭」 ガス器具の良さ、しっかり説明
 名古屋プロパン瓦斯(名古屋市、後藤庄樹社長)は10月25日、26日の両日、愛知県小牧市の名鉄小牧ホテルで、グループ会社や特約店との合同展示会「ザ・大感謝祭」を開催した。
 今年の大きなテーマは「新規顧客との接点づくり」とし、電化攻勢が激しさを増すなか、従来からの優良顧客に加え、一人でも多くの新規顧客の展示会来場に重点を置いた。具体的にはSiセンサーコンロなど最新型ガス機器の展示と調理実演に加え、アトラクションで「野菜の詰め放題」コーナーを設けるなど、これまで一度も同展示会に来場したことのない消費者の関心を集めることに工夫を凝らした。
 同社では展示会を、電化攻勢に対する有効な対抗策の一つと位置付け、同感謝祭のほかにも、営業所ごとに少人数を対象にした「ミニ展」を頻繁に開催、また同社特約店がともに参加する形の「合展」も実施している。しかし近年激しさを増す電化攻勢に対するには「今までとは違うことに意識的に取り組む必要がある」(水野省司・営業第一部長)との認識から、今回は、まだ展示会への来場経験のない顧客等を対象に、チラシの手渡しなどを通じて新規来場者の誘導を図った。(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
≪三愛石油取締役ガス事業部長 村田正博氏に聞く≫ 環境保全、保安、需要創出―お客さまとの接点を原点に
 原料高と金融不安に見舞われ、消費減退が続くなか、どのようにLPガス事業の継続的発展を維持するか―。三愛石油の村田正博取締役ガス事業部長に聞いた。

集中監視システムをモデルチェンジ
 ガス事業部の基本方針は、環境負荷の少ないLPガスの特性を生かしながら、電化を含めたお客さまからのエネルギーに関する、あらゆる相談に即応できる総合エネルギーショップを目指すことである。
 お客さまとの接点を密にするために、保安を最優先とした取り組み、キズナの強化、顧客ニーズをどう取り込むか、LPガスを軸とした、周辺商材や新エネルギー、お客さまがなんでも相談し、利用してくれるお店作りを行っていく。
 商売の前提にあるのはお客さまからの信頼ではあるが、その信頼の骨格は保安の確保であり、最優先で取り組む課題といえる。
 そのため、まず集中監視システム「サンネットU」のモデルチェンジを行う。
 アナログ回線を中心としながらも、無線方式でアナログ回線のないところをカバーし、今後、3年間かけ直売先の普及率100%達成を目指していく。認定販売事業者も取得するため、その要件70%をなるべく早く越えられるよう普及を進めていく。また、理解の得られる販売店には、集中監視の無線方式採用を提案していきたい。
 お客さまの安心は商売の原点、この集中監視システムが普及すれば、例えば1週間とか10日間お客さまが不在の場合、遠隔操作でガスを止め、またガスを使えるよう復帰でき、お客さまの安心を確実に担保することが可能となる。このシステムは、お客さまに当社のガスを引き続き使っていただけるよう、アピールする有力なツールになると考える。(詳細はプロパン産業新聞2008年11月4日付で)
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