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◆プロパン産業新聞 2008年9月9日・第2423号
9月CP 2カ月連続で値下げ P800j、B840j AL熱量換算は優位に推移
 サウジアラビアの国営石油公社サウジアラムコは8月31日、我が国元売り・商社に対して、9月度CP(コントラクト・プライス=サウジアラビアの長期契約者向けFOB価格)を、プロパンが前月比60j値下げの800j/d、ブタンが同50j値下げの840j/dにすると通告してきた。
 サウジの代表的な軽質油であるアラビアンライト(AL原油)の8月1日〜8月29日の平均価格は114・419jで、今回のLPガスのCPを熱量換算すると、プロパンが85・3%(前月78・2%)、ブタンが90・8%(同82・1%)となり、P、Bともに前月の対原油価格に対する熱量換算値を若干修正し値戻ししている。しかし、依然として原油より割安で推移している。
 背景には、先物市場で高騰を続けた、米国産のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油が、8月に入って110j/d台で推移しており、その影響から原油市場に安値感が出ていると見られる。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
サーラグループ“ココラフロント”完成
 “ここから、はじまる。心から、楽しむ。”―をキャッチフレーズに、ガステックサービス(愛知県豊橋市、神野吾郎社長)や中部ガス(同、中村捷二社長)を中心としたサーラグループによる「豊橋駅前再開発プロジェクト」として建設を進めてきた“ココラフロント”が、このほど完成した。
 サーラタワー(地下2階地上16階建て、延べ約1万7990平方b)とガーデンサイト(地下6階建て、延べ約6553平方b)の2施設から成る“ココラフロント”は、ショップ、レストラン、ホテル、オフィスが入居する複合商業施設。
 8月上旬には、ガステックサービス、中部ガスなどのサーラグループの本部機能が移転し、各テナントもオープン。また、3日には、10階から14階の「ホテルアークリッシュ豊橋」(客室91室)もグランドオープンした。
 “ココラフロント”の完成は、豊橋駅前の活性化だけでなく、東三河の玄関口として全国へ向け大きなアピールとなりそうだ。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
岡山伊丹会主催・合同展示会 大感謝祭に6395組1万5743人 秋発売のSiコンロも人気に
 岡山伊丹会(島村健太会長)主催、アストモスエネルギー、伊丹産業協賛の第10回合同展示会「大感謝祭」が8月30、31日、岡山市のコンベックス岡山大展示場で開催された。来場者数6395組1万5743人(目標1万5000人)、前売りを含む売上金額は約8167万円(目標8000万円)でいずれも前年を上回った。
 岡山市内に本社や支店を持つ企業と元売と開催する顧客向けの展示会で、今回の参加企業としては岡山伊丹会でJA岡山が加わり15社に、卸売事業者は岡山ガスエネルギー、広島ガス東中国、ライフォス、両備エネシス、中国アストモスガス、高山産業に新たにエルピーガス販売が加わり、7社となった。
 会場では10月から法制化されるSiセンサーコンロコーナーを大々的に設け、各メーカーの今秋に販売する新商品を出展し、販売に注力した。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
東邦液化ガス 愛知県三好町に新充填所竣工
 東邦液化ガス(名古屋市、梅村幸治社長)は、かねてから建設を進めていた三好充填所(愛知県西賀茂郡三好町、30d×1基)がこのほど完成し8月29日、愛知県豊田市の名鉄トヨタホテルで竣工披露パーティーを開催、関係者はじめ約60人が出席して完成を祝った。それに先立って同充填所では、約30人が参加して竣工の神事を行った。
 あいさつに立った梅村社長は、昨年7月に同社のグループ5社が合併して新生「東邦液化ガス」が誕生して以来、グループ内で合理化を進めてきたことを説明し、「今回の充填所完成が、その総仕上げと位置付けている。今後も地域の皆さまの生活を支える、重要な役割を果たしていく覚悟だ」と述べた。
 同社にとって13番目の充填設備となる同充填所は、愛知県西三河北部地域の宅地開発に伴う住宅増や商業施設の建設による、LPガスの需要増に対応するために建設。東名高速三好インターチェンジから車で5分程度の好立地にある。
 従来は田畑が広がる地域であったが、愛知万博が開催された際に駐車場として整備され、その後土地区画整理事業区域に指定され、準工業区域となった。用地は約6300平方bで、充填所面積は約500平方b。30dストレージタンク1基を設置し、50`以下の小型容器の充填専用設備として利用され、12連回転式充填機1基、固定式充填機2基、ローリバース2基を備える。
 充填能力は、月間で最大2500d。年間で約2万から2万5000dの供給を見込んでいる。管理棟は鉄筋造2階建てで、延べ床面積は約270平方b。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
環境省、カーボン・オフセットの取り組みガイドライン公表
 環境省は2日、「カーボン・オフセットの取組に係る信頼性確保のための情報提供ガイドライン(案)」を公表し、17日までパブリックコメントを募集している。
 カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができない温室効果ガスの排出量が減るよう削減努力を行ったうえで、どうしても排出される温室効果ガスについて、その排出量を見積り、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資することなどにより、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方。
 このような背景のなか、LPガス販売事業者もCO2排出権付きLPガスの販売を始めている。エネルギー業界で初めて、カーボン・オフセットを導入した大同ガス産業(高松市、楠本浩一社長)は、日本カーボンオフセットと共同で「大同カーボンゼロ倶楽部」を設立。LPガス使用時に排出されるCO2と同量のCO2排出権コストを会員と同社がともに負担。1家庭当たりの負担額は年間約2000円程度となる見込みで、これにより年間約800`cの排出と相殺できる仕組みだ。
 一方、しなねん商事(札幌市、小山秀昭社長)は、エコノスが提供するカーボンオフセットサービス「ECOCO」から、一般的な家庭約2万世帯がLPガスで排出するCO2の6%相当である25d分を購入。7月3日から「チームマイナス6%応援LPガス」の販売を開始。従来のLPガス通常料金で販売している。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
LPG車補助第3期 10月1日から受付開始 予算残額は2582万円
 第1期、第2期分とも申込開始から数日で予定予算枠を超過するなど、好評のLPG車等導入補助制度の第3期の受付が、日本LPガス協会で10月1日から始まる。
 3期以降の募集については、LPG車が1日〜31日まで。オートスタンドについては、予算超過のため募集はしない。
 受付開始は、協会へ持参の場合は9時から受付事務を行うとし、郵送等の場合は1日以降の消印日・発送日により受け付ける(※注意@9月30日までの消印日のものは返却Aとくに宅配便の場合は、発送日を送り状に記載すること)。
 受付停止は、申請額が予算残額を経過した時点の日付で受付を停止し、それ以降の申請書は受付をせずに返却するとしている(第4期募集は、第3期で予算残額を超過した場合は募集しない)。
 なお、今期の補助金の算定については、超過した時点の日付までの全申請者を対象とするため、「補助額=申請額(補助対象経費×2分の1)×按分率」で計算。按分率は予算残額/超過日までの申請額で算出する。今期の予算残額は2582万2000円。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
「安全と ことばで言うより まず確認」 KHK 保安促進週間 キャッチコピー決まる
 高圧ガス保安協会は、恒例の高圧ガス保安活動促進週間(10月23日〜29日)のポスターに記載するキャッチコピーの会長賞に「安全と ことばで言うより まず確認」(滑川要二氏・日本原子力研究開発機構)に決定した。
 これは、保安活動促進週間を通じて高圧ガスに対する保安意識のさらなる向上をアピールするためポスター等を制作しているもの。昨年度の会長賞は「危険の芽 それを見つける 確かな目」。
 今回は、応募作品3948点のなかから厳正な審査を経て決定した。入選作品には、「生かそう五感と感受性 埋もれた危険を掘り起こせ」(倉宗勝氏・イネオスケミカル)。佳作には、「事故事例 活かして 守る職場の安全」(西岡茂樹氏・同)、「料理の要は塩胡椒 作業の要は指差呼称」(小佐海博氏・帝人ファイバー)の2作品を選定した。
 なお、ポスター頒布の申込みはKHK教育事業部業務課まで(一部150円、申込み締切10月10日)。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
防災の日・各地で訓練
 「災害に強いLPガス」――。9月1日の防災の日を前に、全国各地で防災訓練が行われた。地震や豪雨による水害が相次いだ今年、LPガス業界からも各団体が参加し、ライフライン復旧訓練や避難所への供給訓練などに加え、消費者への啓蒙活動に取り組んだ。

兵庫県防災協
 兵庫県エルピーガス防災協会(須國廣会長)は8月31日、西宮市の阪神南広域防災拠点で実施された、県主催の合同防災訓練に参加した。
 同協会では、ライフライン復旧訓練のなかで、バイク4台、車両4台、18人により、二次災害の防止ならびにライフセーバー隊による人命救助訓練を行った=写真。
 地震災害により、消費先での二次災害が危惧されることから、出動する緊急車両は、地震の影響による道路の欠損のため、最初にバイク部隊が出動し、消費先からのガス漏れ点検とボンベの移動を行った。続いて四輪車による本体が出動し、途中でケガ人を発見し、市民救命士の資格をもつライフセーバー隊が応急手当訓練を行った。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
バイフューエルLPGバイク登場 帝都産業、転換キットを開発
 宅配ピザなどで使用するデリバリーバイクの開発を手がけてきた帝都産業(東京・多摩市、老沼清晴社長)はこのほど、ガソリンで走るスクーター(50cc4ストローク・キャブレター仕様)をLPGバイクに転換するキットを開発した。
 ガソリンとLPGの両方が使えるバイフューエルタイプで、LPGは電子制御で燃料を気体噴射する。同システムは世界でも初とみられており、現在特許を申請している。今年11月初旬の発売を予定しており、価格は未定。
 現在は、「ホンダズーマー」「ホンダジャイロキャノピー」の2機種にのみ搭載可能で、その他の機種に関しては検討中。当面は転換キットのみの販売は行わず、2機種の「改造バイク」を販売する。
 販売ルートやメンテナンスサービス拠点の構築について老沼社長は「ぜひ、LPガス業界の方々の協力をいただきたい」と呼びかけている。また「ガソリンとLPGの切り替えが、ハンドル部分のスイッチ一つで走行中でも簡単にできるので、当社が得意としているデリバリー用途に最適。また、LPガス販売店の皆さまにも、検針業務用等に使っていただきたい」と述べている。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
エスケイシリンダー 住宅用火災警報器「煙雷」販売開始
 エスケイシリンダー(東京、矢端和之社長)は、「インテリアデザインを活かす、火災警報器の新しいカタチ」のキャッチフレーズで、今月から小型・高性能で低価格な住宅用火災警報器「煙雷(えんらい)」の販売を開始する。日本消防検定協会鑑定品(鑑定番号:鑑住第20〜14号)。メーカー希望小売価格は4997円(税込)。
 「煙雷」は、日本フェンオール(東京、井口雅雄社長)独自の構造設計技術と、シャープの汎用小型形状煙センサ技術による共同開発で生まれた、全く新しい住宅用火災警報器。煙検出モジュール部をシャープが製造、最終組み立て・検査・販売を日本フェンオールが担当、LPガス販売業界向け販売はエスケイシリンダーが総代理店として行う。すでにエスケイシリンダーはフェンオール社製の火災警報器を販売している。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
≪新社長インタビュー≫ アストモスエネルギー 代表取締役社長 久内 幸二郎氏に聞く
 資源、エネルギーをはじめとする価格高騰が今、世界経済にスタグフレーション(景気停滞下のインフレ)の陰を広げつつある。そんな不透明で厳しい経営環境のなかで、企業トップに就任する人はよほどの度胸と決断力を備えた人に違いない。今年4月、アストモスエネルギーの新社長に就任した久内幸二郎氏に、LPガス事業への熱い思いと展望を語ってもらった。
 久内社長は「環境問題をフォローウインドに、需給緩和による価格競争性の高まりで、LPガスが再認識される状況になってきた」とし、この機を逃さず、LPガスの需要開拓に取り組むべきと明快に語った。
 
LPガス「復権」の兆し、好機生かそう
 アストモスエネルギーの誕生以降、石黒、児玉体制で基礎固めをされましたが、それを引き継ぎ、粛々と基盤をつくり、次の成長戦略へ向けての準備をしていく。それが、これから1、2年のアストモスにとっての課題であり、イコール、新しい社長である私にとっての課題でもあるだろうと思っている。
 私の実感としては、いまLPガス業界は、大きな変わり目に来ていると思う。もともと私は、LPガスという商品はものすごくいい商品だと思っているが、その割には、残念ながら世の中からその価値を認知されていない。そういう傾向があると思っていたので、“環境問題”という大きなフォローウインドと、需給の緩和に基づくLPガスの“価格競争性”が高くなることで、LPガスがもう一度再認識され得る状況になるなら、従来、LPガス業界が頑張ってきた努力が報われるタイミングに来ているのではないか。潜在的なLPガスの力を、うまく表舞台に立てるようにしていく、というのが、私自身の気持のうえでの抱負ということになる。
 家庭用、産業用、自動車用と、それぞれのマーケットにより具体的なことはあるでしょうが、ポテンシャリティを顕在化するためには、きっちり需要を開拓していく、あるいは家庭用であれば、需要促進に持っていく。そのために、例えば燃料電池など、LPガスが最も有効に機能し得るような家庭用のツールを整備していく。
 また、LPガスとは直接関係がないにしても、太陽光や太陽電池など新しいエネルギーと上手く組み合わせて、各家庭のエネルギーソリューション的なものを、ある程度システムとして売っていく。それによってLPガスの需要を確保、増大させていく。こういうことを粛々とやっていくことだろうなと思っている。
 それから、産業用は今までCPが800j〜900jというような状況で、こんな価格水準では成立しないと、おそらく去年の今頃、皆さん思ったと思いますが、だいぶ雰囲気が変わってきていて、それでもそんなに高くないのだな、割高感はないのだなという見方が、少しずつ浸透して来ている感はあります。重油からの代替等を考えても、カロリーベースでその辺の競争性が出てきているのも事実。これが長く続いてくれるのか、瞬間的なものなのかはわかりませんが。
 いずれにせよ、いま、環境問題と目先の価格競争性の問題で、産業用の分野の機運が盛り上がってきているので、そこもしっかりやっていく。(詳細はプロパン産業新聞2008年9月9日付で)
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